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適用外

  • 2014年03月06日

 前泊博盛著「日米地位協定入門」の中に、何ともやりきれない箇所がありました。

 少し引用します。

 

 『・・・日本には汚染を防止するための立派な法律があるのに、なんと放射性物質はその適用外となっているのです!

 「大気汚染防止法 第27条1項:この法律の規定は放射性物質による大気の汚染およびその防止については適用しない」

 「土壌汚染防止法 第2条1項:この法律において 特定有害物質 とは、鉛、ヒ素、トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く)であって・・・」

 「水質汚濁防止法 第23条1項:この法律の規定は、放射性物質による水質の汚濁およびその防止については適用しない」

 そしてここが一番のトリックなのですが、

 「環境基本法 第13条:・・・そうした放射性物質による各種汚染については原子力基本法、その他の法律で定める」としておきながら、実は何も定めていないのです。

 福島の農民Aさんが環境省の担当者から、土壌汚染対策法の条文を根拠に、「当省としましてはこの度の放射性物質の放出に違法性は無いと認識しています。」と言われたと週刊文春2011年7月7日号に書いています。・・・いくら除染をしても法的には汚染ではないから除染も賠償もする義務はないのです。家や畑や海や大気も同じで、それを正直に言うと暴動が起きるので、今は加害者側の懐が痛まない範囲で勝手に被災基準を設定し、賠償する振りをしているだけで、そのことは次第に明らかになっていくはずです。』

 

 この箇所を読んでいると、国というよりも官僚というものは実にしたたかに自分たちの責任を逃れる仕組みをあちこちに組み込んでいることに恐怖を覚えます。

 3・11フクシマ事故があった後の2012年に改正された原子力基本法にも、この部分は触れずじまいです。

 ただ、この著書が発売された後に環境三法の改正や、環境基本法の改正もなされましたが、除染については触れておらず、その都度の特措法で対処するようです。


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