避難所の環境整備を(ブログ3465)
- 2024年01月28日
今日で、能登半島地震から4週間が過ぎたことになり、18日現在で、石川県内の370避難所で避難生活を余儀なくされている方々は1万5130人となっています。
そして劣悪な避難所の生活には、まったくプライバシーがありません。
日本は近年にも多くの地震による大規模災害を経験していますが、その度に指摘されてきたのが避難所での生活です。
体育館や大きなスペースでの「雑魚寝」、床にはブルーシートで保温が無く、食事は保存が利く冷たい物、水が不足してトイレは十分機能せず、排泄に問題が生じ、入浴も出来ず、洗濯もままならない。女性は着替える場所も無く人目を気にしながら、イヤ、まだまだ私たちの気がつかない劣悪な環境なのだと思います。
10年以上経過してもなお、避難所生活は改善されておりません。
やっと段ボールによるベッドなどが支給される避難所もありますが、パーテーションなども不十分なままです。
日本と同様に地震の多いイタリアでは、避難所の設置基準が法律で明確に定められており、大型のテントが原則として家族単位に割り当てられ、プライバシーが確保された状況でベッドで寝起きが出来ます。エアコンも確保されているケースも有ります。
仮設トイレもトイレと洗面がセットになったユニットが提供される事が多く、限りなく普段の生活に近い状況を提供する考えで避難所が運営されています。
また、避難所の食事でも大きな違いがあります。
欧米各国では被災地で調理する事が原則であり、暖かい食事を摂取する事が可能になっています。そのためのボランティアも多く、プロの調理師も配置されるようになっており、暖かいだけでは無く、ワインやデザートなども加わった食事が摂れます。決して贅沢では無く、被災者の身体的・精神的なケアも考慮されたものとなっています。
確かに、欧米と日本の地理的な違いがあるとしても、なぜ、こんなに違いがあるのでしょうか。
様々な施策への予算は政治家の目に見える成果ですが、避難所への予算配分は政治的効果が薄く「票」にはならないと考える政治家が多いのでは無いかと思います。
「兆」単位で、必要とも思えない予算配分を行う一方、災害が多い日本で避難所にかける予算は微々たるものだと思います。
しかし、政府がその気になれば、欧米基準の避難所の設置は十分に可能ではないでしょうか。それを拒んでいるのが、「同情はするけれども、被災地だから仕方が無い」と考える日本人が多いということかも知れません。それは、「もし、自分や家族が同じ境遇になった場合は」という想像力が乏しいということです。
これは、自然災害であって、自らの意思や力では防ぐことの出来ない事象であり、明日の自分自身なのです。
そして、国民の命を守ること、国民に衛生的そして健康に過ごすことが出来る環境を提供するのことは政府の責務ですが、今の政府はその基本を放棄しているようです。