避難路は機能するのか(ブログ3508)
- 2024年03月10日
能登半島地震による土砂崩れなどの道路崩壊。仮に志賀原発が稼働していて事故でも起きたらとい言うことも視野に入れなければという問題意識もあってか、共同通信が全国19原発の30km圏内、いわゆるすぐに避難が求められるPAZ圏内と、当面屋内退避を強いられる30kmUPZ圏内における緊急輸送(避難)道路を調査した結果、109市町村の避難路が「土砂災害警戒区域」となっており、災害時に道路寸断の恐れがあることが分かりました。
とりわけ、泊原発周辺は13町村が該当し、大間原発では函館市が含まれます。
函館市の場合は、主に旧4町村(戸井、恵山、椴法華、南茅部各地区)が含まれ、眼前には海岸、そして国道、家があって、すぐ後ろは急傾斜地域となっています。
函館市の場合は、前市長が「避難経路が限られている地域性にあり、30万人近くの住民が即刻避難することは出来ない事から、大間原発建設には反対する」と明言して、「避難計画」そのものを作成せず、建設反対の訴訟を起こしています。
大間原発は、今のところ建設再開には至っていませんが、自然災害による避難も考えたときには非常に大きな問題となります。
一方、泊原発の30km圏内の13町村は、より深刻な問題です。
私の調べでは、これらの町村は災害時の「地域防災計画」と「原子力防災計画」はありますが、それぞれ単体の災害への対処であって、自然災害と原発事故の複合災害時の避難計画は用意されていません。
また、避難計画があっても、実際の災害時に運用が可能なのかは「神のみぞ知る」と言うことになります。
とりわけ、最終処分場の文献調査に手を挙げていた神恵内村は小樽方面に向かう国道・道道が寸断されれば住民約700人が孤立してしまう恐れがあります。
神恵内村はこれだけで、概要調査へは進めないと判断されなければなりません。
原発は過疎地、そして冷却水に海水を使用することから、人口の少ない道路も狭く山沿いに近いところに建設されます。無論、核燃料は船で運び込まれますから大きな道路は必要ありませんでした。
さて、政府と原発立地18道府県の知事は、この現実にどのように向かい合うのでしょうか。