重い腰を上げた知事
- 2017年02月12日
高橋はるみ知事が、北海道新聞のインタビューでJR北海道問題についての考え方を述べました。
その中で、いくつかのキーポイントとなる発言をしています。
①議会や市長会、町村会と考えを共有し、道庁や知事の私が加速度的に主体的に動かなければならない。
②物流(貨物)と国境に関わる区間の必要性は認識している。
③財政支援は排除しない。
④北海道の鉄路は長大であり上下分離方式は現実的ではない。
⑤国の支援策と地元協議は同時並行的に行う。
という5つの考え方を述べました。
JR北海道の問題は、昨年の9月に島田社長がJR北海道の現状について単独では既存の全ての鉄路は維持できず、赤字路線は廃線しなければならないこと、そしてその具体的な対象路線は12月に発表することを明らかにし、道民に大きな波紋を投げかけました。
その後の道議会第3会定例会の予算質問、引き続く決算委員会、そして第4回定例会でも各会派が取り上げ、道の姿勢を問い続けましたが、知事の答えは「道に設置している総合交通問題専門家委員会の意見を注視している」、「専門家委員会にワーキンググループ(WG)を設置し、集中的に議論していただいている。この報告が年明けの1月中に出されることから、それを待ちたい」、「JR北海道には自助努力を要請している」、「国には支援を要請している」というもので、自ら主体的に動くことを避けていました。
この根底にあるのは「口を出せば、金も出さなければならなくなる」と言うことのようでした。
JR北海道が当該の自治体首長との協議会を要請しても、各自治体の首長は、北海道が主体になって参加しないのであれば、JR北海道との協議会には参加できない、それは、上下分離方式かバス転換の話が主体となるという危機感からのものと思われます。
一方、北海道は、JR北海道と地元自治体の協議会に参加すれば、財政支援を求められるという先程の理由で参加を見合わせていたと思われます。
さらに、協議会への国の参加について、国は参加すれば個別の区間についての存続を求められることから、赤字路線は北海道だけではないという理由で参加を見合わせていたと思われます。
いわゆる三すくみ、四すくみで、問題を先延ばししていたのではないかと思います。
ここに来て、知事が冒頭の発言をしたというのは、触れたくない課題ではあるが避けて通れないと判断したものと思いますが、まったく遅い対応であると指摘せざるを得ません。
上記の5点の内、①、②、⑤は議会でも指摘してきましたが、その答弁は国会と同じように「のらりくらり」でした。
第1回の道議会が今月の24日から開会します。
当然、JR北海道に関わる知事の発言の具体的な考えを問わなければなりません。
私は、上下分離方式や民間の支援も含めた全ての選択肢を排除しないことを基本とし、JR北海道、国、道、関係自治体だけではなく、経済界、産業界、道民も含めたオール北海道で鉄路を守るための知恵と支援態勢を構築すべきと思っています。