野党共闘と選挙制
- 2021年11月02日
立憲民主党の枝野代表が今回の選挙結果を受けて辞意を表明しました。
4年前、希望の党の排除に端を発し、一人で立憲民主党を立ち上げ、総選挙に立ち向かう覚悟を見せた時は、私も何としても新しい政党を支えていかなければと思ったものです。
そして、北海道8区では「逢阪誠二氏」が希望の党と合流を決めた民進党を離党し、無所属で立候補、そして当選を果たし、立憲民主党へ入党しました。
その後は、立憲民主党政調会長、予算委員会野党筆頭理事、代表特別補佐として、まさしく二人三脚で立憲民主党を成長させて来たのではないかと思います。
さて、今回の選挙結果を受け、立憲民主党内部でも野党共闘を批判しておられる方も多いと思いますし、その事も代表辞任の大きなきっかけだったと思います。
しかし、残念ながら立憲民主党は自公連立政権に対峙する程大きな党にはなっていません。したがって、政権選択の選挙において大きな1強に立ち向かうには野党がきっちり手を結び、これに対峙する力を持たなければなりません。
それが今回の戦略だったのですが、野党共闘の結論を出すのが遅すぎた気がします。
前回の選挙も一部の選挙区で野党共闘が実現し、その効果が明らかになりましたが、その後の4年間、立憲民主党が主導して野党共闘をより深化させる検討が行われてきたかというと、全くそんな動きは感じられず、国会ではそれぞれの政党が自党の主張を展開することを先行し、やっとのことで党首討論が開催された時点で、質問を分担するという協力が実現しましたが、国民に、野党共闘は選挙時だけなのかという不信を抱かせたのも事実だと思います。それでは、なかなか国民は理解に立たないでしょう。
今の選挙制度は、当初、米国のように政権交代が可能になる2大政党制を模索したものでしたが、必ずしもそういう選挙制度にはなっていません。
「小選挙区比例代表並立制」は、小選挙区で一人の当選を争うものですが、問題は比例代表並立制(比例区)にあります。
1票は「小選挙区候補名」、もう1票は「比例代表届け出政党名」を記載します。
そして、比例区は比例代表届け出名簿順位によって当選が左右されます。
政党によっては、比例順位指名して届ける政党と、小選挙区の惜敗率で当選が決まる同列順位を選択する政党、その二つを届ける政党とがあります。
政党によっては、比例代表並立制のブロックごと(北海道、東北、北関東、南関東など)の集計で、議席を得ることに重きを置くことで、自党の議席を確保する事があることから、小選挙区比例代表並立制の選挙制度では2大政党制になることは難しい制度です。
したがって、この選挙制度の下で与党に対峙していくには、野党政党による大きな合併か、野党共闘意外には考えづらいということになります。
立憲民主党が選んだ野党共闘という選択は、独裁的な政治から民主的な政治へ転換するために必要なもので、先ずは当時の野党第1党と第2党が手を結び、それを基盤に他党と手を携えたのは正しい判断だと思います。
無論お互い政党ですから党の理念や綱領があるのは当然です、そのなかで最大公約数の政策を一致させ、その実現に最大限の力を尽くす。不一致課題は党独自の活動をする。
今回、国民になかなか理解されなかったのは、憲法、安保、外交など国の基本となる問題に対処する方針を打ち出せなかったことも大きな課題です。
立憲民主党は代表選が行われる事になりますが、野党共闘を維持して繊細な問題こそ時間をかけて(夏までに)大筋で示し、国民生活に直接的に関わる経済対策などを財政バランスを含めて具体的に示すことが必要だと思います。
まさしく政権を託すに値する野党共闘であることを示さなければなりません。