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野田氏の構想は(ブログ3699)

  • 2024年09月27日

 立憲の野田代表が中枢の役員を決定しました。

 その顔ぶれは、ご存じの通りで、マスコミに言われているように「論功行賞」人事である事は疑いもありません。そして、この顔ぶれを中心に総選挙に突入します。

 野田代表は、「政権を取る」と公言していますが、そのための具体的な戦略が全く見えません。1強の自民党に対峙するには、それなりの国民への訴えが急がれますが、政権を奪取するには小選挙区への候補擁立、とりわけ、1対1の戦いにするには野党共闘が不可欠です。

 国民民主党との連携は、連合との関係も含めて当然進めるでしょう。

 しかし、その次の連携先については空気をつかむような、当てのない気がします。

 野田代表が、「穏健な保守層まで取り込む」とか「分厚い中間層」などと言っていますが、そのデザインが見えません。果たして、立民の独自性が出せるのか、それとも野田氏が過去に行ってきた数々の保守政策が再現されるのか。

 残念ながら、野田政権時代に何をしてきたのか、ジャーナリストの高野孟氏は日刊ゲンダイの「永田町の裏を読む」というコラムに次のような事を投稿しています。

 <野田はやらなくてもいい総選挙を安倍に持ちかけて、結果としてその当時政権党だった民主党の同士173人を落選させて同党を壊滅的に追い込んだだけでは無く、この日本を決定的にダメにした安倍政権の生みの親である。

 第1に、安保法制。野田政権の「国家戦略会議フロンティア分科会」が憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を求めるべきだと提言した。

 第2に、武器輸出。藤村修官房長官(当時)が武器輸出三原則を見直す案を発表した。

 第3に、オスプレイの沖縄配備を何ら疑問を挟むこと無く受任した。

 第4に、尖閣国有化を行った。

 第5に、原発再稼働に舵を切った。

 第6に、TPP。最初に参加を検討すると言ったのは菅直人首相だが、野田は、「参加のため関係国と協議に入る」と表明。

 第7に、消費増税。野田内閣は12年2月に「社会保障・税の一体改革」大綱を閣議決定し、8月に「14年に8%、15年に10%」とする消費税法改正案を成立させた。

 つまり、安倍政権で起きた禍々しい事のほぼ全ては、野田政権の時代に始まっていたということである。どうしてそうなのかと言えば、理由は簡単で、野田も安倍も共通して自分には何の政策能力も無く、外務・財務・経産などの小賢しい官僚の言うことを素直に受け入れたからである。

 野田は、「今度こそ政権交代を」と叫んでいたが、彼の下では政権交代は起こらないし、起きても意味が無い。> と投稿しています。

 私が強烈に覚えているのは安倍氏との党首会談で「『社会保障と税の一体改革』と『議員定数の削減』を約束するなら衆議院を解散する。」と話し、その言葉尻を捉えた安倍氏が、「本当ですね。」、「本当ですね」と念を押し、結果、顔遺産総選挙では大惨敗をして政権を手放し、消費税の増税だけが行われ、定数削減などは「何処吹く風」と約束を反故にされました。

 当時は、年末も迫り次年度予算を決定させるという絶対的なカードがありましたが、それを使うこと無く自民党に政権を奪われた。私にとって野田氏は「A級戦犯」です。

 また、個人所有だった尖閣列島の国有化は、それまで日本と中国はお互いに領有権を主張していましたが、解決しない問題として両国とも「阿吽の呼吸」で事実上の棚上げをしていましたが、日本が国有化にしたために、中国を大きく刺激して今の日中関係の状態を作ってしまいました。

 北海道農業に大きなダメージを与えるとして、反対してきたTPPを何のためらいも無く参加、結果、目論んでいた米国は参加せず、米国からの農産物の輸入に関しては、関税を引き下げられると供に、輸出に関しては、関税を引き上げられるという、日本の農業を米国に為に犠牲にし、日本農業の疲弊に手を貸してしまいました。

 民主党政権下に起きた福島原発事故。その後、国内の原発は全て運転を休止していましたが、野田政権になってから再稼働への道を開いてしまいました。そして、今になっても福島原発の廃炉は全く目処が立たず、再稼働ごとに増えていく使用済み核燃料の貯蔵にも支障を来しています。

 野田氏の言う、「穏健な保守層を取り込む」とは一体どういうことなのか、これからどういう政策を打ち出すのか。その政策は他の野党を引き寄せる内容なのか。そして、何処の野党と共闘するのか。

 「リベラルな方向が立憲の抱える課題だ」、「より現実的な政策を継承していく」とも話しましたが、それは、今の自民党の政策を「是」とするということなのか。

 党員である私も、野田氏への疑問が拭い去れません。

 しかし、全ての党員が選んだ代表です。それを受け入れつつ、今後の政策、野党共闘、党内融和など、難しい問題をどう解決していくのか注視していきたいと思います。


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