銀メダル拒否?
- 2019年11月03日
今年のスポーツの秋は、日本国中と言っても良いくらい「ラグビーワールドカップ」に酔いしれました。
昨日は、その決勝戦が横浜国際総合競技場にてイングランドVS南アフリカの間で戦われ、南アフリカチームが32:12で勝利しました。
日本は8強で敗れましたが、多くの方々が(にわかファンも含めて)この決勝戦を観戦したものと思います。
イングランドチームは、これまで日本のヘッドコーチだったエディー・ジョーンズ氏が率いたチームでしたが、決勝戦では意外にも「トライ」が一つも取れませんでした。
接戦になるものと思っていましたが、南アフリカチームの一方的なゲームとなり、残念でした。
ともあれ最高に盛り上がった今回のワールドカップでしたが、表彰式で残念な光景を目にしてがっかりしたのは私だけでは無いと思います。
ワールドラグビーのビル・ボーモント会長から優勝チームの一人一人に金メダル首にかけられ、喜びの笑顔を見せていた後に準優勝のイングランドチームへも同じように銀メダルを首からかけようとしましたが、選手の一人が銀メダルを首にかけられるのを拒否し、手で受け取りました。
同じように首にかけられてもすぐに外しポケットに入れてしまう光景が続きました。
ヘッドコーチであるエディー・ジョーンズ氏も首から外してしまい、相当の悔しさがあったのだろうと思いますが、こんな光景は様々なスポーツのワールドカップでも初めてではないでしょうか。
ラグビーの素晴らしさは、倒されても倒されても前に進む、そして自陣に進んでくる敵をタックルで防ぐという肉弾戦ですが、試合そのものが紳士的なルールで行われ、試合が終われば「ノーサイド」でお互いにたたえ合うという、まさにスポーツマンシップに溢れたスポーツあり、そのことに日本のファンも感動し、新たなファンも開拓されたものと思います。
しかし、今回の銀メダル拒否とも言える態度で、イングランドチームは批判を受けることになるでしょう。
ラグビーの起源は「1823年、イングランドの有名なパブリックスクールであるラグビー校でのフットボールの試合中、ウィリアム・ウェブ・エリス少年がボールを抱えたまま相手のゴールを目指して走り出した」ことだと言われ、優勝トロフィーは「ウェブ・エリス・カップ」と名付けられています。
まさしくイングランドにとってラグビーは、発祥に地であるだけではなく国技でありアイデンテティーであるということが、選手たちのプライドとなっている事は理解しますが、だからといって、勝者のカップ授与に水を差すような好意はいただけません。
イングランドチームの選手たちには、この悔しさを受け止め次のワールドカップへの糧とすることを望みます。