難しくなる北方領土
- 2018年09月05日
北方4島への自由訪問、墓参事業が天候の影響で中止が相次いでいる一方、天候に問題が無い訪問も、ロシアとの協議が整わず中止に追い込まれている事態も発生しています。
両地域の住民の交流は、昨年、両首脳が確認してきた事項でもありますが、個別の計画については、なかなか実現が出来ず、その理由についてもロシア側は明らかにしません。
加えて、鳴り物入りで確認した「日ロ共同経済活動」は、現地調査が遅々として進まず、宙に浮いたままとなっています。
この間ロシアは、9月2日の対日戦勝利の日には、択捉島で先勝式典軍事パレードを行い、9月3日には択捉島に戦闘機を試験配備したことを明らかにした他、軍事式典の帰還なのか、オホーツク海から日本海に向けて28隻の軍艦が宗谷海峡を通過しました。
そして、近いうちに北方領土において軍事訓練を行うことも示唆しています。
ユジノサハリンスクでは、コジェミャコサハリン州知事が「73年前、我々はクリーク初頭と南サハリンを取り戻した」と挨拶し、地元住民も「ロシアと日本の有効は大切だが、領土を引き渡してまで平和条約を結ぶ必要はない」と発言しています。
一方日本は、通常国会における北方領土問題等解決促進特別措置法(北特法)改正において、改めて“我が国固有の領土”と明記しました。
お互いに一歩も引かない状況の中では、領土返還の気運の醸成は徐々に冷め始め、より北方領土が遠のいて行くような気がします。
安倍晋三氏のロシア外交は、このままでは進展する要素も見あたりません。
様々な外交手法が、お互いの国内情勢によって引くに引かれぬ所へ落ち込みそうな気配を感じます。
※なお、6日7日は水産林務委員会の現地調査のため、ブログはお休みいたします。