震災と自治体職員(ブログ3510)
- 2024年03月12日
10日のNHKスペシャルは、「震災から13年:自治体職員の3・11」という番組でした。
今までは、どちらかというと被災者側からの視点が多かったのですが、今回は初めて被害対策にあたっていた自治体職員に視点を当てた番組で、自らも被災者でありながら被災地における住民のために仕事をする自治体職員の姿を特集しました。
全てが初めての経験の中で、一部の被災者からの苦情やパワハラ、カスハラで精神的にダメージを受けながらも、被災者に寄り添いつつ、同じ視線で「自分は何が出来るのだろうか」と問い続けながら、対応をしている姿が映し出されてました。
何人かの方々が、今まで語ることの出来なかった当時の心境を涙ながらに吐露していましたが、その言葉には、「もっとやれることがあったかも知れない」、「被災者への対応は十分だったのか今でも悔いている」、「経験の無い業務に不安を抱えながら、手探りで任務にあたった]などなど。 心に深く刺さる言葉と映像でした。
翻って、今後、大きな自然災害と併せて原発事故が起こる複合災害の場合、自治体職員はどのような任務に就かなければならないのだろうかと想像してしまいました。
原子力防災計画では、5km圏内の住民を素早く避難させる事を求められますが、自分の家族や自分も被爆するかも知れないという状況下で、住民避難の仕事ができるのだろうか。そのときは防護服がどのように支給されるのか?また、30km圏内の住民は一定期間屋内退避となりますが、自治体職員は待避の対象外ということを上司や住民から求められるのか?
能登半島地震は、複合災害へどのように対処するのかのという大きな問いを、自治体職員にも投げかけていると思います。