非核化の方式
- 2018年05月26日
中止かと思えば交渉再設定、これがトランプ大統領と金正恩委員長のディール(取引)なのか、相手の出方を窺って先手を打つか、後出しじゃんけんにするか丁々発止のやり取りには危険さが伴い、周りがハラハラ・ドキドキと翻弄されてしまいます。
お互いにくせ者同士で結論が読めませんが、双方もこの千載一遇のチャンスを逃すことは得策ではないことを十分に意識していることだろうと思います。
この非核化で言われているのが「リビア方式」ですが、この他にどのような解決方式が有るのでしょうか、リビア方式も含めて3つの方式がありますがその内容を記載します。
<リビア方式=先に核の完全廃棄、その後に支援>
2003年、リビアは「完全な核放棄」を宣言した後、国際原子力機関(IAEA)の査察など非核化の検証を経て、2006年に米国と国交を正常化した方式。
<イラン方式=段階的な核廃棄>
2015年の国連安保常任理事国5ヶ国とドイツが、イランへの経済制裁を解除する条件として、核合意を締結し、核凍結、無能力化、廃棄などの非核化の段階に合わせて適切な補償が続く段階的な解決法。
<ゴルディアス方式=一気に妥結>
古代ギリシャ、マケドニアのアレクサンダー大王が複雑に絡み合っていた結び目を一刀両断で解いたという「ゴルディアスの結び目」の伝説に由来するもので、対北朝鮮経済制裁解除や金正恩体制維持などと、核凍結や無能力化、廃棄など、北朝鮮の核関連問題を一気に妥結する解決法。
リビア方式を行ったリビアのカダフィー大佐は、核放棄後に反体制派に殺害されました。
イラン方式では、核保有国5ヶ国+ドイツが核合意をしましたが、米国のトランプ大統領が先般、核合意が不十分であるとして離脱しました。
今回の米朝会談の内容について、トランプ大統領は「リビア方式」をモデルにしないと言っていますが・・・。
そして、金正恩委員長は・・・。
双方の思惑が今後も続くでしょうが、どの方式であっても早く会談が行われ、朝鮮半島の非核化が現実の物となるように見守っていかなければなりません。
無論、日本が何をすべきかも含めてです。