頓挫する北方領土
- 2019年04月23日
プーチン大統領が来日する6月のG20の会議に併せて日ロ首脳会談を開催し、「日ロ平和友好条約」の大筋合意を目論んでいた安倍晋三内閣は、6月までに双方の北方領土に対する理解が整わないと判断し、大筋合意を見送る事になりました。
これで、北方領土問題は限りなく遠のいたことになります。
突如、国民に何の説明も無く「4島返還」を撤回し「2島返還+α」にトーンダウン、「『4島』、『一括』、『固有』、『「不法占拠』などの言葉を使用しないことで相手に誠意を伝えたい。」などという戦術を試みましたが、このことが相手に隙入る口実を与え、ロシア側に「大戦の結果として4島がロシア領土となった事を認めなければ交渉が出来ない。」とまで言わせてしまいました。
全く幼稚な外交交渉ではないでしょうか。そんな情緒的なことで領土問題が解決するはずも無く、結果として6月の大筋合意も水泡に帰してしまいました。
この間に、ロシアは北方領土にデジタル通信設備を敷設し、さらには軍事拠点としての体制を強化し始めています。
さて、新しい鈴木知事は北方領土問題にどのような見解をお持ちでしょうか。
まさか、北方領土を行政区域とする北海道の知事がこのような稚拙な外交を繰り返す官邸に追随するようなことは無いと思いますが、いかがでしょう。
鈴木知事には、是非、北方領土を視察して欲しいと思います。
髙橋はるみ知事は、その任期中2005年5月に国後島・択捉島、2012年8月に色丹島を訪れています。
そして、元島民との対話も行ってきましたが、今は官邸を意識して安倍内閣が進める方針を評価しています。
道民の期待を受けた鈴木知事には、北海道のガバナーとしてこの領土問題に対し得意の「道民目線」を大事にして自らの言葉で道の今後の取り組みを話していただきたいと思います。