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飼・肥料の輸入(ブログ3385)

  • 2023年11月05日

 日本の食料自給率はこの間約38%と言われてきましたが、2022年では、1%下がり37%になったと言われています。しかしこれは、食料が国民の口に入った時のカロリーベースの数字です。

 日本は小麦や大豆などの穀物・豆類だけではなく、牛肉をはじめとする肉類なども輸入に頼っています。

 そして、少ない日本の自給を維持している農畜産物の生産に欠くことのできないのが、飼料・肥料ですが、これらの大半を輸入に頼っていると言うのも現実です。

 農業に必要な3大肥料と言われるリン(リン酸アンモニウム)及びカリウム(塩化カリウム)はほぼ全量、尿素も大半を輸入に頼っています。

 農業生産物のなかで、完全有機肥料によって生産されているのは極わずかで、大半はこれら輸入肥料に頼らなければ日本の農業は成り立ちません。

 一方、畜産物はどうか。TPP等の経済連携協定により、牛肉や鶏、豚も輸入が進んでおり、2019年のカロリーベースの自給率は、牛肉9%、豚肉6%、鶏肉8%、鶏卵12%等となっています。

 そして国産の畜産を支える飼料は約73%が輸入となっており、これが途絶えるとしたら、国内の畜産自給率は惨憺たる状況になってしまいます。

 今年の春に「鳥インフルエンザ」が蔓延し、大量のニワトリが殺処分され、その影響で卵の値段が急騰、それだけではなくスーパーの棚から卵が姿を消してしまいました。

 鶏卵の多くは海外に依存しており、その最大の輸入国はブラジルです。

 日本は、ブラジルに日本への輸出拡大をお願いしましたが、この時ブラジルは強気の交渉を行い、その結果、日本はしてブラジルの言い値で買わなければなりませんでした。

 農水省で発表している食糧自給率は37%ですが、肥料・飼料の自給率も勘案すれば、日本の食糧自給率は18%にまで落ち込むと試算している学者もおります。

 深刻な問題です。

 これほど国内の食料を海外に頼っている国は先進国の中では日本くらいではないでしょうか。鶏卵の例ではないですが、いざとなれば日本への輸出を行わないことも考えられます。そして、これこそ食料の安全保障なのです。

 「食料は海外から金で買えば良い」とするのは、国民を飢えさせても構わないということと同意語であることに岸田氏は気づき、食糧増産にこそ国の基本を置くべくでは無いでしょうか。


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