香港での発砲事件
- 2019年10月05日
香港での民主化デモが3ヶ月以上も続いています。
最初は非暴力で行っていたデモが、いつの間にか加熱し一部が暴徒化しています。
中国政府から送り込まれた工作員がデモ隊に紛れて、内部から参加者を煽り暴徒化を仕掛けたのではないかとの憶測も出ていますが、この度は有ってはならない事態が勃発しました。
デモに参加していた学生に警察官が至近距離から発砲した映像が流され、その学生が重体の陥っているとの報道が世界中に流れました。
心配していたことが現実になりました。
警察隊とデモ隊が加熱し、お互い棍棒のような物を手にした小競り合いが香港のアチコチで勃発、催涙弾や火炎瓶の応酬、焼き討ちなど、このままでは収集がつかなくなり、いずれ死者が出るのではないかと危惧していましたが、ついに警察隊が銃器を使用してしまいました。
警察が武器を携帯した実力組織で有ることは周知に事ですが、これは、まず相手を威嚇する場合に使用し、それも空に向けて発砲することで、相手の闘争心を萎縮させる効果を狙うものです。
しかし、映像を見る限り威嚇行為は無く、まさしく相手に致命的な損傷を負わせることを意識したものと思われます。
犯罪を前にして銃の使用を躊躇しない欧米の国とは違い、アジアの国々は銃の使用についてこれまで抑制的であったと思います。
中国の建国70周年記念と国慶節を前にしてのこの事件は、様々な憶測を世界に投げかけました。
香港の市民が自らの5項目の要求を実現するためには「非暴力」を貫くべきでありましし、暴力で対抗することは相手の土俵に入ってしまうことに他なりません。
相手の土俵に入ると言うことを今回で例えるなら、権力側は「暴力には鎮圧」で対抗すると言う言い訳を与え、さらに、言葉が不適切かも知れませんが内戦状態に入ることも危惧されます。
そして、その結果、民主化を求める香港市民に多くの犠牲者が出てしまい、さらに民主化の行動に理解を示していた世界の世論が離れていくことに繋がり、結果として本土の思う壺になるのではないでしょうか。
香港の市民には非暴力を貫き、世界の世論を大きくすることで目的を果たして欲しいものと思います。