高校3年生の不安
- 2020年05月23日
コロナによる休校で、子供たちの学習への影響が心配になってきます。
官邸や文科省、一部の知事たちと教育専門家の方々が、学習の遅れを理由に「9月入学」を検討すべきと、その導入について現実的な課題を整理しようとしていますが、その一方で、受験を控えた高校三年生が不安に包まれています。
地域によって休校が続いていたり、分散登校が実施されていたり、また、都会を中心としてオンライン授業が取り組まれたりしていますが、すでに、この段階で学力に差が生じてしまうことになりますし、学校再開の早い地域の子供たちが有利になってくるのは明らかです。
昨年は、文科省の不手際で英語試験の民間委託や国語・数学の記述式問題の導入が数々の不備から取りやめになりましたが、今年はどうなるのかも未だ具体的に示されておりませんし、来年の大学一般入試について、学習の遅れや格差への具体的な対応案を大学に示しておりません。
各高校にも受験生にも、文科省は1日も早く、遅くても夏休み(実施するのか定かではないが)までには具体的な受験内容を示さなければ、不安は募る一方だと思います。
4月中旬の調査では、家庭学習で同時双方向型のオンライン授業を実施するとした全国の教育委員会はたったの5%のみとなっています。
そして、緊急事態宣言の特定警戒都道府県以外の県では、すでに青森県、岩手県、鳥取県、佐賀県などが学校を再開し、一部解除の県でも追随する自治体がある一方、感染者の多い自治体では休校が長引いています。
9月入学の議論をにぎやかに議論する前に、解決しなければならない課題が山積していることを文科省は自覚すべきです。