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高橋道政の罪と功

  • 2011年02月05日

高橋道政ももう少しで2期8年目を迎えます。
私が関わったのは5年間でしたが、その5年間の高橋道政の検証をしてみたいと思います。
すでに、道議会・民主道民連合での検証が行われていますが、少し加筆も加えて感想を述べてみます。

 

1、高橋はるみ知事のリーダーシップ
昨年11月に札幌で行われたシンポジウムにおいて「田原総一朗」「寺島光一郎乙部町長・北海道町村会長」などが高橋はるみ知事のリーダーシップに疑問を呈するコメントがあり、シンポジウム終了後にはオフレコで、「近藤道経連会長」もつぶやいていたというお話を聞いています。
また、先般の北海道地方自治研究所の「月刊自治研」2月号の対談の記事を読みますと、道新をはじめ道内報道機関の記者達もおしなべて高橋はるみ知事のリーダーシップの無さを指摘していました。
言わんや、日常仕事をしている道職員のアンケートにおいては8割もの部下がリーダーシップが無いと回答しています。

 

2、政治姿勢・道政運営
1期目、2期目前半をとおして、選挙でお世話になった自民党とのパイプを頼りの政治姿勢は変わることなく、民主党政権になったとたんに手のひらを返すような擦り寄りが非難されましたが、相変わらず国依存体質は変わりません。
「常に地域に軸足を置いている」と胸を張ってきましたが、1期目の道警問題では早々に自ら幕引きを行い、2期目の支庁制度改革では地域の同意を得られないにも関わらず見切り発車し、地域との信頼関係を大きく失いました。
これら世論軽視、地域無視の政治姿勢は歴代の知事において例を見ないものです。

 

3、産業・経済
一人当たりの道民所得は年々減少し、全国との差が過去最大となりました。
自動車関連企業の誘致はリーマンショックで事実上の頓挫、観光行政は「北海道観光振興機構」に丸投げ、2期目後半からは経済界の「食クラスター構想」に相乗りの状態が続いています。

 

4、雇用・労働
1期目に策定した「雇用創出基本条例」に基づいて8万人の雇用を目指し、雇用の足し算方式の積み重ねであたかも目標を達成したかのように見えますが、その実は、その間の失業者数はカウントせず、実質雇用増とは言い難いものとなっています。
2期目の10万人雇用創出計画はいっこうに目標数には達しておらず、失業率、有効求人倍率、非正規労働者の比率も全国平均より下回る深刻な状態が続いています。

 

5、行財政改革
この間の行財政改革に関わる計画は、「道財政立て直しプラン」「新たな行財政の取り組み」「選択と集中」等、幾度となく作り直され、「中長期財政試算」も毎年数字の書き換えが行われるなど、一貫しておらず、人件費の削減と公共事業費の削減で活路を見いだそうとしましたが、この8年間で道債残高は5,000億円以上も増え、5兆7,000億円となり、この4年間は連続で赤字予算の編成となりました。

 

6、地域主権・道庁改革・自治のかたち
「道州制特区」については、国の判断を優先した小粒な特例措置が認められたにすぎず、「大山鳴動・・・」の感が否めません。
道庁改革は、参事、局長、次長職が増え、組織が頭でっかちになってしまい、また、国の省庁からの派遣職員を各部局の中枢に迎え、国と一体となった運営に固持し、知事曰くの百年に一度の改革と意気込んだ支庁制度改革は、当初6つの生活圏を基本に設置する案が9支庁案に変更され、条例を改正しましたが一度も施行することないという道政史上始まって以来の愚行を行い、結果は14支庁をそのまま残す看板の掛け替えにとどまってしまいました。
そして、3年間で振興局および総合振興局業務の見直しを行うはずでしたが、23年度分は未だに地域との話し合いの場も開けずにいます。
振興局の首長らとの対立は溝を深め、長期的な混乱を招いています。
さらに、この支庁制度改革の成立の段階において約束した「新しい自治のかたちづくり条例」は未だに検討されている形跡はなく、道民との約束違反となっています。

 

7、福祉・医療・環境
知事が1期目に行った医療・福祉対策は「聖域なき歳出削減」による医療・福祉政策の縮減であり、「北海道医療給付事業」や「特定疾患治療研究事業」の見直しから始まり、国の「医師の数は足りている」との認識を鵜呑みにし、医師の地域偏在を是正することなく、道立病院の経営移管計画を提案、地域医療の撤退を目論みました。
このような地域医療対策の誤った推進により、公立・公的医療機関は存廃の危機に貧しており、道内においては、産科、小児科、救急医療の医師が不足し、ここに至って、医学部の定数増と医師派遣などの医師確保に奔走しています。
高齢者福祉では、国の療養病床削減政策に追随し、国の目標量以上の削減を計画しましたが、市町村からの反発を受け、計画数量を是正。
唯一のエポックであり、全国でも注目されています「北海道障害者の権利擁護条例」は知事の提案ではなく、私たち議員提案の条例であります。

 

8、地域交通
北海道新幹線は、函館市までの開業が計画通りに進捗していますが、これは何も知事の成果ではなく、平成27年開業は国の基本姿勢であります。
札幌延伸は、並行在来線におけるJR北海道と函館市の対立についても、知事は当事者としての認識が無く、他人事のように振る舞っています。他の県知事のように積極的に解決に向けて努力する姿は一向に見えません。
HACの存続については、道民の翼を維持することよりも、まずはHAC存続が第一義の目的であり、HACの試算を鵜呑みにし、自らの試算を後回しにして早期に結論を出し、他の航空会社への運行委託などは一切試算も検討も行わないという一民間航空会社の維持のみを目的としたものとなっており、道内観光関係者からも疑問の声が起きています。

 

9、米チェン
唯一、私が知事の働きの成果と思えるのは、「米チェン」における道産米の普及拡大です。
やっと道産米の評価が高まり、道内だけではなく本州のレストラン、お寿司屋さん、料亭などでも評価が高まり、ブランド米の仲間入りを果たすことが出来ました。

 

 

※さて、どうでしょう。知事の罪と功を述べてみました。
本来は功・罪となって功の方が多くなり、先に述べなければなりませんが、私のこの間の検証では以上の結果となり、罪を先に羅列をいたしました。
巷では、はるみ知事の人気が高いようですが、よくよく聞いてみますと、「支えてあげたい」とか、「あの身体で良くやっている」とか、情緒的な評価が多いようです。
はるみ知事が女性であることがかなり有利に働いているようですが、今の北海道にそんな余裕が果たしてあるのでしょうか。
地方に顔を出す場合は、歓迎してくれる行きやすい所だけ。問題のある所は副知事に任せるという、「イヤなものはイヤ」という「我が儘な性格」。
面倒なことは部下に任せ、早く公宅に帰りたいという「事なかれ主義」。
議会がもめると、知事与党の自民党に解決を丸投げし、自ら汗を流さない「当事者意識の欠如」。
こんな知事に今後の道政を任せていいのか、皆さんはどのように判断しますか?


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