高浜原発再稼働(ブログ3294)
- 2023年07月30日
関西電力高浜1号機が再稼働を始めました。
運転開始から48年が経過している原発で、国内最古の原発です。
これまで、40年間とされていた原発の運転可能期間が法改正により60年間とされ、さらに原発休止期間はこれに算入しない事となりました。
耐用年数を超えて運転することになった高浜原発は、新しい規制となった60年間まで後12年間、そして、福島第1原発事故以来の休止期間を追加する事になればさらに12年間延長され、今後24年間の運転が行うことも可能となりました。すなわち、2047年までということですから、稼働開始から72年間も使用するということになります。当初規制の40年間のほぼ倍の期間です。
これまでの高浜原発の原子炉劣化評価では老朽化が進んでいることは明らかでしたから、運転を再開すれば当然事故のリスクは高まっていくことになります。
また、新聞報道によれば、新規制基準で難燃性に交換しなければならないケーブルが、交換できない部分もあることが明らかになり、予想以上の劣化が心配になります。
スイスのベツナウ原発が世界最古の原発で1969年に稼働しましたが、休止した年数は考慮せず、60年間の2030年で廃炉にする事になっています。
以前にも指摘しましたが、日本の原発の設計は40年間を目安にしたものです。
従って、原子炉はもちろん周辺の配管や機器の設計も同様に40年の耐用年数を考慮したものとなっています。
12年間の休止期間に原発技術者も減少し、最古の原発を運転するのは高浜原発の運転の経験が無い、あるいは限られた期間しか経験のない方々と言うことになります。
高度の知識を持っていても、原子炉を運転するにはその原発の特徴や「くせ」を熟知している経験者が必要です。
これから高浜原発はこの国で経験したことのない60年超という「未知」のゾーンに突入します。政府の下僕と化した「規制委員会」、さらに政府と関電、稼働を容認した地元自治体の首長の責任は、とてもとても重いものとなるでしょう。