鹿児島県警の腐敗(ブログ3638)
- 2024年07月23日
内部告発で、兵庫県知事が「火だるま」になっています。
「おねだり」、「知事選挙での違法行為」、「選挙投票依頼行脚」、「政治資金パーティー関連」、「プロ野球優勝パレード関係」、「パワハラ」などを公益通報した職員への懲戒処分、百条委員会の開催、様々な動きの中で、告発者(通報者)の自死という悲しい出来事に繋がってしまいました。そして告発者は、百条委員会で斉藤知事の独裁的な行状を白日の下に明らかにして欲しいとの思いを託したのです。
先のブログでも、近畿財務局の赤木俊夫さんの自死と「赤木レポート」同様に、組織のトップへの告発は死を代償としなければならないのか、「公益通報者保護法」は誰を保護する法律なのかという法と現実の乖離についても触れました。
一方、犯罪を取り締まるべき警察が犯罪に手を染めたことを、隠蔽しただけでは無く、内部告発者を逮捕してしまったのが「鹿児島県警」です。
この問題についてジャーナリストの「青木理氏」は、<今回露呈した問題は大きく分けて3つある。まずは警察官による犯罪は県警トップである本部長直轄案件となるため本部長自らが隠蔽を指示していた疑いが濃い。次に、今回の強権発動は警察と言う組織では決して内部告発はゆるさないという強い意志を示す目的で、そのために内部告発した警察職員を様々な理由を付けて「公益通報では無い」として逮捕まで及んだ。さらに、内部告発者を特定する目的で告発者が情報を提供したとされるメディアに強制捜査に入ったこと。 つまり、これら県警がとった行為は、第1に警察という組織の信頼を揺るがすものであり、第2に公益通報者保護制度を根底から破壊する行為、そして第3に報道の自由を侵害する憲法違反に他ならない。>と批判しています。
警察組織は、縦社会の最たる組織ですから、上からの命令は絶対で「黒」でも「白」であり、「白」でも「黒」の世界です。当然、部下の不祥事は上司の「経歴に傷」を残すことになりますから、組織内では許されないことで、事案を起こした警察官は懲戒処分を受けてもほぼ全てが、自ら退職をして警察を後にします。つまり、その組織にいられないことを身をもって知っている、併せて廻りが退職を示唆(強要?)するのでしょうか。
兵庫県の件も、内部告発者は県庁内にある相談窓口を信用せず、外部のマスコミに等に告発内容を送付しましたし、この鹿児島県警の内部告発者2名も県警内の相談窓口には話さず、合わせて、県警と記者クラブの関係を十分に知っていることから、県警記者クラブ所属の大手マスコミも信用せずに、地域情報メデイアに告発内容を送付しました。
つまり、県警という上意下達の徹底した組織、そこに根を張る県警記者クラブは、同じ穴のムジナと思われているのです。
極めつけは、鹿児島県警内で回覧されている「刑事企画課だより」に、事件記録を速やかに廃棄するよう促す内容が記された上で、「再審や国賠請求において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません。」などと書かれていたと言うことです。つまり、後々警察に振りになりそうな資料はあらかじめ全て廃棄しておけ。というご下命です。
私は、警察は法に則り、その正義によって職務を遂行する組織であり、警察官の多くは「悪を憎み、正義を矜持とする」方々だと思っていますが、腐ったリンゴは何処にでもあるようです。
一方、そんな警察を監視する組織が国家公安委員会ですし、都道府県公安委員会ですが、公安委員会は、その事務局を警察内の総務部が担っています。公安委員は既に名誉職となってしまい、長い年月で骨抜きにされていることは、北海道警のヤジ案件でも明らかです。
当時、議会での公安委員長への質問の答弁は、全て道警の総務部が調整したもので、公安委員長は道警の露払いで本会議場に現れ、答弁用紙を貰って、ただ読み上げるだけです(鈴木知事と同じ)。つまり警察を監視するという公安委員としての矜持など感じられず、警察となあなあで、手の平に乗ってているだけの傀儡としか思えません。
多分に鹿児島県の公安委員会も同じようなものだと想像します。
この間に起きた、内部告発に対する兵庫県と鹿児島県警の対応から目が離せません。