1日100万回
- 2021年05月11日
「口から出まかせ」もここまできたかと呆れてしまいます。
「1日100万回の接種を目標として、7月末を念頭に、希望する全ての高齢者に2回の接種を終わらせる」と豪語しました。
いままで、遅々として進まなかったのは何だったのか?その気になれば出来ることなのか?と思い、「思い切ったことを公約するなあ」と感心していたら、何と、何の根拠も持たないただのブラフにようでした。
日刊ゲンダイには、<「100万回」の根拠を求められた菅氏は「インフルエンザの接種は1日60万回くらいやっていて、今回ははるかに広い体制をとっているから可能だ。」と胸を張りましたが、医学博士の米山公啓氏は「インフルエンザは全国のクリニックで接種しているから1日60万回が可能ですが、ファイザー製ワクチンは超低温輸送や保管上の問題があり、すぐに開業医に行き渡るおは思えない。ワクチンが別々なことも混乱の要因になりそうです。」と話しています。>と掲載されています。
単に1日60万人を接種すれば、2ヶ月間(60日間)で高齢者の3,600万人が1回目の接種を終えるという逆算をした机上の空論であることがバレバレの薄っぺらな判断です。それでも、1回目が終了しただけで2回目が残っています。
故に、100万回と言えば、2回の接種も終了に近いくらいの数になるだろうと、小学校の算数程度の話です。これを、霞ヶ関の官僚が吹聴したというならば、官僚の質の低下は尋常では無いと言うことになります。
馬鹿馬鹿しい計算ですが、ワクチン接種に一人当たり約10分を要しても(模擬訓練での所要時間)、1時間で6人、8時間で48人となりますから、1日100万回となると、約21,000人の医師等が必要となります(1日16時間働かせても約10,500人)。
現実味の無い計算は止めましょう。
7月末まで約80日間、接種したくても、予約するかかりつけ医の電話も通じず、コールセンターも空しい呼び出し音。
日がな1日受話器を握っているわけにもいかず、このままではいつのことになるのかと思いつつ気長に待つことにしますが、頭の中が「満開」の方に命を預ける日本国民の悲哀を感じる「100万回」の言葉でした。