10万円と緊急事態宣言
- 2020年04月18日
全国民に一律一人10万円の現金給付の方向性が決まったのはとても良いことですが、減収世帯向けの30万円給付を閣議決定していながら、これを覆したことで政治決断の朝令暮改との批判をかわすための言い訳として浮上したのが、全国を対象にした緊急事態宣言だと言われています。
緊急事態宣言は、特措法32条に基づく判断基準として①感染者数の累計 ②感染者数が2倍になるまでの倍加時間 ③感染経路不明の人の割合 を勘案し、専門家委員会の意見を受けて判断することになっています。
さらに特措法に基づいて宣言した場合、①緊急事態措置を実施すべき期間 ②措置を実施すべき区域 ③緊急事態の概要 の3点を国会に報告することになっています。
さて、安倍晋三氏は、緊急事態宣言の対象区域を全国としましたが、16日現在、感染者のいない岩手県も対象区域に含めてしまいました。
宣言区域を全国にしたことに対する評価は色々ありますが、ここにも10万円給付ありきで、全国を対象としなければならなかった矛盾が表れています。
もう一つは、全国に緊急事態宣言を行ったにもかかわらず、さらに、北海道、茨城県、石川県、愛知県、岐阜県、京都府を新たに「特定警戒都道府県」という、よく内容が判らない区域指定にしました。
安倍晋三氏は、既に4月7日、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県を緊急事態宣言の指定区域としていたことから、これで13都道府県が他の県とは異なる指定区域となりました。
この「特定警戒都道府県」に指定されれば、他の県とどのような違いがあるのかも説明されていませんが、このように次ぎから次に区域指定をするのであれば、全国への緊急事態宣言はやっぱり10万円給付の言い訳であることが鮮明になります。
対応が後手後手で、政治判断もできず、危機管理能力、統治能力が著しく欠如していながら、見栄ばっかり気にするリーダーは後にも先にも彼一人ではないでしょうか。