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2015年日韓合意

  • 2017年01月11日

韓国の日本大使館に、慰安婦の像が市民の手によって設置された問題で、日本政府は在韓国大使、ソウル領事館領事を帰国させるという強硬手段を取りました。

 慰安婦問題については、日本が10億円の見舞金を払い、韓国が慰安婦像の撤去を積極的に行うという「2015年日韓合意」がなされ、既に、韓国の元慰安婦への見舞金の申請と支給が始まっているにも関わらず、韓国が「最終的、不可逆的な解決」の履行を一方的に無視し、慰安婦像の設置を認め、これが日韓合意を反故にした取り扱いだということが、強硬手段を取った日本の言い分です。

 しかし、韓国民は、この日韓合意についてまったく違う認識を持っているようです。

 「週刊金曜日」によると、韓国憲法裁判所は、2015年の日韓合意は、違憲で有るという判決を出しており、韓国民はこれを支持しています。

 判決内容は、『「日本政府は、1965年の賠償請求権協定によって日本軍「慰安婦被害者」の賠償請求権が消滅したという立場である反面、韓国政府はそれが請求権協定の対象ではなかったという立場であって、解釈上の紛争があるので、韓国政府はその解釈上の紛争を解決すべき作為義務があるにも関わらず、韓国政府がその義務を果たさなかった結果、被害者たちの基本権を侵害しており、これは違憲で有る』と判断しています。

 すなわち、日本政府は「賠償権請求権協定に慰安婦問題も含まれており解決済み」と解していますが、韓国内においては「韓国政府は、慰安婦問題が賠償請求権協定に含まれておらず未解決」という立場であるのも関わらず、日韓合意をしたことは憲法違反であるという認識となっています。

 従って、韓国民は、いくら日韓合意がなされても違憲の合意であって、履行する義務は無く、これを結んだ朴大統領は国民を裏切った、ということです。

 これでは、いくら日本政府が大使や領事を帰国させても問題の解決にはならず、合意自体の効力も疑わしく、一方的なものとしか思えません。

 ましてや、合意文章も無く、安倍首相と朴大統領の口約束というのでは、何をか言わんやではないでしょうか。

 日本政府が、韓国の違憲判決を今日まで知らなかったと言う事にはなりませんし、韓国政府も稚拙な対応では、国際的な信用を失うだけだと思います。


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