24年4月問題(ブログ3357)
- 2023年10月08日
すでに、時間外労働の年間時間制限が始まっていますが、来年の4月から俗に言われる「24年問題」が現実のものとなります。
時間外労働(残業時間)の上限については大企業が2019年4月から、中小企業は20年4月から既に法律が施行されましたが、その時点で、人手不足が指摘されていた自動車運転手や建設労働者、医者・看護師などの医療スタッフなどについては24年4月から摘要とするという緊急避難的な措置が執られてきました。
本来であれば、この約4年間の間に、これらの職種に対し何らかの手立てを行い、長時間労働の解決を図る事が政府や業界に求められていましたが、具体的な措置がとられないまま、来年の4月まで後6ヶ月となり、その対処に苦慮していることが報じられています。
これまで、これらの職種に就いている労働者の犠牲に甘んじていたということです。
そして今、それぞれの業界が慌てています。
今日の新聞では、医師の長時間労働解決のために大学病院内に医師を確保する。その結果、大学から地方に派遣して医師が不足して地域医療が崩壊してしまうという記事が掲載されていました。
これまで、私たちの生活の大きな部分は、長時間労働者の皆さんに支えられていたことになりますし、一方、多くの国民も支える側に身を置いているのが現実です。
政府は、自動車運転手とくに貨物に対してやっと重い腰を上げましたが、それも一朝一夕に効果が上がるものではなく、時間がかかる方策ばかりです。
一方、建設業はスマート化が進んでも、人の経験や積み重ねられた技術に負う部分が多く、医療の世界は、命の関わる事であり知識と技術、想像力が問われる業界で、単純に医育大学の定員を増やすことで解決するものではありません。
政府がこの長時間労働の問題を放って置いたとは思いたく有りませんが、これらの施策を検討する肝心の公務員の時間外も、36協定という法令有って実態無しといったところでしょうから、様々な業界の長時間労働に対する危機感が希薄になっていたと言うことも考えられます。
このままでは、24年4月からの法施行を安易に先延ばしするのでは無いかと案じられます。