背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

5類へ、科学的根拠を(ブログ3115)

  • 2023年01月22日

 岸田氏が新型コロナウィルス感染症を、感染症法の2類から5類に引き下げると言い出しました。またもや唐突にです。

 5類になると、法的には普通のインフルエンザと同様の扱いとなります。平たく言うと単なる「風邪(?)」で、病院にかかるもかからないも患者の自由、職場や学校を休むも休まないも自由、患者にはコロナの規制の全てが当てはまらなくなります。

 都道府県はコロナ感染症対策本部を解散し、そこに集中していた職員を通常業務に戻すことができ、患者と医療機関の調整も必要もなく、陽性登録業務も無くなり、自宅療養に対する生活用品の支給も取りやめとなり、緊急事態宣言の発令やそれに伴う外出自粛要請、事業所への協力要請などからも解放されることになります。

 政府にとっては、検査や医療費やワクチン接種が患者負担となりますし、事業者に対する「事業継続緊急支援給付金」も支出する事も無くなり、旅割などの経済対策への支出の他、関係施策への財政支出から解放されるとい言うことになります(防衛費に使える?)。

 何だか「3方良し」のような気がしますが、果たしてそうでしょうか。

 コロナ対策で大きな役目を果たした医療関係者の大方の見方は、「5類移行は拙速である。」ということです。

 政府分科会尾見会長などは、政府側の立場ですから賛成でしょうが、これまでコロナ問題に献身的に取り組み、テレビなどの解説で政府の様々なコロナ対策についてコメントを発してきた昭和大学の二木芳人教授や医療福祉大学の松本哲哉主任教授、インターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁院長などは、5類への引き下げに懐疑的な意見を発しています。

 現在はBA.5や、BQ.1.1(ケルベロス)、新たなXBB系統(グリフォン)の株が拡大の様相を呈していますし、死者数も最多を更新しています。

 また、政府が全ての自粛要請を解除し、旅割の利用も盛んになり、夜の酒場は平常を取り戻していることから、一時は1日100万回の実績があったワクチン接種は、40万回へと下がってしまいました。そこには国民の意識の低下も見られます。

 早晩、密な状況が作られ、日本社会は完全にコロナ以前の社会に逆戻りするでしょう。

 そして、その人間の弱さに突き入るのが自然の力で、ウィルスも同様だと思います。

 岸田氏は、5類へと引き下げる科学的な根拠を国民に示すべきです。その根拠が無い限る、5類への引き下げはやっぱり時期尚早なのでは無いかと思います。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.