6%増だから再稼働(ブログ3785)
- 2024年12月25日
規制委は泊3号炉の再稼働に向けた審査を終了し、今後は、北電が年明け後再稼働の申請内容を補正し、規制委はそれを受けて来年中に審査合格を示す審査書を決定する事になります。
その後に、いよいよ再稼働の地元合意へと進みますが、一方、安全対策上必要な防潮堤はまだ未完成であり、さらに、再稼働には燃料運搬船が接岸する新たな港の整備と陸送に関わる地元合意も必要となってきます。
規制委は、燃料運搬船や新たな港の建設が安全であるかは、規制委の審査外として関わりを否定しています。つまり、運搬船が着岸する港湾がどのような津波に耐えられるか、そのためには防潮堤も含めた安全対策が十分であるか等のことは、北電が勝手に判断しても構わないと言うことになります。
これは、規制委の無責任さを露呈しているだけでは無く、これに関われば、再稼働は更に遅れることを示唆しているような気がします。
鈴木知事は、再稼働の可否を判断する場合は、北電が計画する核燃料の陸送や新港の安全確認を条件とするとの認識を示したのは、ある種賢明な判断だと思います。
北電は、新港の候補地を早急に判断しなければなりませんし、仮に泊村内に見つからない場合は、近隣の自治体にお願いしなければならない事になりますが、住民理解を得られるかは未知数となっています。
北電は、ラピダスやDC(データーセンター)の立地に関わり、33年度には電気の需要が6%増加することを3号機再稼働の後押しのように言っていますが、33年度に、果たして6%の需要増を飲み込めないほど発電量に余裕が無いのでしょうか。
12月20日のブログを再掲します<JR北海道が駅舎等を再生可能エネルギーに転換する方針を明らかにし、石狩市や苫小牧市などに進出する大規模のデーターセンター(DC)では、ほぼ電力を再エネで賄う方針を示しています。
なにより、北海道はこれからGX(グリーン・トランスフォーメーション)産業に転換することを未来の方向性として示し、8つのプロジェクトとして①洋上風力発電②次世代半導体③データーセンター④水素⑤SAF(持続可能な航空燃料)⑥蓄電池⑦海底直流送電⑧電気及び水素運搬船 に関わる産業を優先的に支援し、これらGXに関わる資金・人材・情報を集積してアジア及び世界の「金融センター」を実現する事を目指しています。
北海道は、今後の産業と暮らしに関わる全てに再エネを中心とした地域の発展を目指していますし、来年4月以降に建てられる新築住宅は、「省エネ基準」に適合する事が義務づけられます。2030年までには、その基準が一段と厳しい「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH=ゼッチ)」水準に引き上げられ、天井や壁には高性能断熱材、無論、屋根には太陽光発電が必置、熱交換器、窓は3層ガラスと樹脂サッシ、年間を通じてエアコン1台で全ての部屋を快適にし、エネルギー消費を実質ゼロにしてCO2排出も同様にゼロとすることになります。さらに、オフィスビルや商業施設などの業務用の新築も、30年以降は「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB=ゼブ)」が求められます。
すなわち、政府がエネルギー計画案で示している、「今後は半導体やDCなど電気需要が増加する。したがって原発が必要だ」とは、ならないのです。
人口が減少し、生活のほぼ全てに省エネ・再エネが推進されれば、電源の需要は減少するはず。期待のAIやITも、半導体の進捗で限りなく低電力となっていくでしょう。>
今でも北電の発電は需要に対して余裕が有りますし、今後、北海道は再エネの地域となるはずです。6%の増加を再稼働の理由にする根拠が分かりません。