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9条の崩壊か!

  • 2015年03月31日

 集団的自衛権行使の閣議決定さえも踏み越えた自民党と公明党による与党協議で、とんでもないことまで決められています。

 このことが記載されている東京新聞の半田 滋論説委員のコラムを紹介します。

 まず、「武力攻撃事態法は、事態が切迫し、日本への攻撃が予測される事態を『武力攻撃予測事態』として自衛隊による準備までは認めている。一方、与党協議で新たに加えられた『存続危機事態』は、日本の存続が脅かされると判断すれば、海外で武力行使できることになり、『自国の防衛』よりも『他国の防衛』の方が武力行使のハードルが下がるという倒錯した現象を招くことになる。」と指摘しています。

 自衛隊は本来、自国の防衛のために存在するものでありますが、与党協議では、自国の防衛よりも他国の防衛を優先するという内容になります。

 また、次のことも指摘しています「閣議決定では『米艦の防護』に限定しているが、与党協議ではこれを踏み越えている。日米間には日米安全保障条約が有るが、日豪間にはそのような取り決めはない。オーストラリア軍の艦艇は日本を防護するために共同訓練をしているわけではない。」とも指摘しています。

 これは、与党協議で共同訓練をしている豪軍艦艇の防護まで検討していることへの指摘で、これも、閣議決定にはなかったことです。

 さらに、「憲法で禁じた『武力行使との一体化』にあたるとしてこれまで政府が認めてこなかった他国軍への武器・弾薬の提供や発進準備中の航空機への給油も認める方向だ。『武力行使との一体化論。それは前提だ』と明記した閣議決定から完全に逸脱している。」ことも指摘している他、「期間や支援内容を限定した特別措置法ではなく、恒久法で対応すれば、自衛隊は世界中のどこでも、どんな国の軍隊に対しても、後方支援できることになる。何のことはない、自衛隊は、集団的自衛権の行使により、多国籍軍への参加が可能となり、後方支援を通じて他国軍の武力行使と一体化する。もはや憲法9条は、何も禁止していないのと同じことである。隊員達は無事で済むはずが無く、そして憲法に従った政治をする『立憲政治』は崩壊する。安倍政権が狙うのは、まさにこれだろう。憲法改正なき『自衛隊の軍隊化』である。」と論破しています。

 閣議決定を具体的内容に促して協議した、自民党と公明党の与党協議は結果として閣議決定を大きく踏み越えることとなり、このままでは、以前ブログでも紹介したように、国民のハードルが高い憲法9条の改正を行わないで、実質的に9条を形骸化するという図式になろうとしています。

 「平和の党」を標榜する与党への期待はドブに捨てなければなりません。


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