FMS契約による兵器購入
- 2018年07月27日
政府が2023年度に運転開始を目指す地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の取得費が、当初説明していた1基当たり1,000億円から2,000億円になり、搭載ミサイルの購入費を含めると総額で3,000億円、それが2基で6,000億円に膨らむと言うことを明らかにしました。
昨年12月26日のブログ「異常な防衛費」でも、このことの懸念を記載させていただいていますので、一部再掲したいと思います。
<来年度予算に関する防衛費は5兆1,911億円、優にGDPの1%枠を突破し、2%へと果てしなく膨張し続けています。
とりわけ、米国製の兵器の多くはFMS(軍需産業と日本が取引をするのではなく、米国政府が窓口となって日本政府と直接取引する有償軍事援助=米国が見積もった金額を日本が前払いした後に納入が始まり、納入が完了した後に精算して価格を確定させる。従って後に価格が上がることもある)での購入となり、イージスショアでは1基当たり当初800億円と国会で答弁していましたが、その後、防衛省は約1,000億円と修正、僅か半月で200億円も値段が跳ね上がりました。
いわゆる米国政府の言い値で購入すると言うことで、定価など無いに等しい一方的な取引となっています。
そして、購入が決まれば、自衛隊員を米国に派遣し、有償でその操作の教育・訓練を長期間(1年以上)にわたって受けなければ、自前での操作が出来ません。
イージスショアは24時間体制となることから、1基当たり約100人の自衛隊員が交替で運用することになり、2基で200人以上の自衛隊員が操作の教育・訓練を受けるために渡米することとなります。このため防衛省では新たな部隊を編成することにしました。
イージスショアのオプションとして、より高性能のレーダーを米国から購入すれば総額は更に跳ね上がりますし、高額な最新鋭の兵器はその維持管理や修理費も半端な額ではなく、併せて巷間言われているように北朝鮮が複数の弾頭を同時に発射すれば迎撃は困難となり、宝の持ち腐れともなりかねません。
さらにFMSでの購入する高額の兵器は、複数年での分割払いのため「後年度負担」が大きくなり、将来への影響が半端ではなくなります。
すでに、兵器購入費の約4,800億円以上が来年度負担となっているとのことです。
さらに、防衛省はイージス艦を20年度までに4隻→8隻体制に、PAC3部隊16隊→24隊とするミサイル防衛に2兆円をつぎ込む考えで、その他に護衛艦の「空母化」を目論んでいます。>
ここで指摘していたようにFMS制度によって購入する場合、納入までに値段が高騰することが当然のように行われ、日本はすでに購入契約していることから米側の「言い値」を支払うしかありません。
これが、日米首脳会議で安倍晋三氏がトランプ氏と交わした兵器購入の真の姿です。