GO TOへの知事要請
- 2020年07月16日
全国各地の首長から「GO TOキャンペーン」の中の「GO TOトラベル」についいて批判や懸念の声が出されています。
タイミング良く国会では衆参の予算委員会が開催され、コロナウィルス感染症対策の集中審議が行われ、GO TOトラベル実施の延期を求める野党からの追及に西村担当相も答えに窮し、ついに「専門家の意見を参考にしつつ、国交省が判断する。」と国交省に丸投げしてしまいました。
国交相は公明党の赤羽一嘉氏ですが、当然、支持団体の信者の方々からも懸念の声が出されているものと推察しますので、閣議決定との板挟みになり苦悩が続いているのではないかと思います。
世論の包囲網は徐々に狭まり、安倍晋三氏も気にし始めているのか、官邸のぶら下がり会見で「専門家会議の意見を聞き検討する」と答えてしまいました。
国交相も「宿泊施設やツアーに感染防止対策を義務づける。」と発表しましたが、そんなに心配なことをなぜ強引に推し進めなければならないのか理解が出来ません。
地方の知事がテレビなどで「急ぐべきでは無い」、「このことで地方に感染が拡大すれば人災だ」と主張していますが、一方、北海道知事は、今日国交相あてにGO TOキャンペーンの要請を東京事務所を通じて行いました。その内容は、
①同一都道府県、または感染状況が同程度の地域間の旅行を対象にすること。
②感染が拡大傾向にある地域の事業一時停止を都道府県知事と協議の上判断すること。
③都道府県知事の注意喚起措置等が発出された場合、事業の一時停止が出来るような制度
設計とすること。
④豪雨地域への配慮をすること。
ということです。
知事も、既に「どうみん割」を実施し、早く経済を動かしたいと考えている一人ですから、私が見ても歯切れの悪い内容となっています。
①は、感染状況が同程度と言っても、感染者数なのか軽症者数や重症者数なのか、医療機
関のPCR検査体制や感染症ベッド数なのか明らかでは無く、又、相手の都府県の意向
がどうなのかも考慮しなければなりませんが、誰がその間に立ってマネージメントを行
うのか、それは国なのか、自治体間なのか。
とても難しい条件だと思います。
②③は、国と拡大傾向のある地域の知事が協議を行っても、既に予約している場合どのよ
うにするのか、また、事業の一時停止にしても注意喚起措置には強制力がありませんか
ら、旅行するかしないかは個人の判断に任される事になります。やはり、感染が拡大し
ている今の時期にGO TOを行うのは危険すぎますし、人災につながります
④は当然ですが、逆に豪雨被災地域は「蚊帳の外」におかれ、県民も、観光業界もキャン
ペーンの恩恵を受けることが出来なくなります。
さて、知事はどのような検討を行い、このような内容を国交相に要請したのでしょうか?
賢明な要請は、自治体内での観光から始めて徐々に拡大すること、今は国内全域を対象にしたGO TOは、当初計画通り「コロナが収束した段階で」とした方が国民のためだと要請することだと思います。