IOC新会長(ブログ3872)
- 2025年03月23日
IOC(国際オリンピック委員会)の次期会長に、アフリカ大陸ジンバブエのカースティー・コベントリー氏が選出されました。
コベントリー氏は、2004年アテネオリンピックの水泳選手で、200m背泳ぎなど3個の金メダルを獲得し、これまでジンバブエが取得した五輪メダル8個のうち7個がコベントリー氏によるもの。
会長選挙には7人が立候補、日本も国際体操連盟会長の渡辺守成氏が立候補しましたが、第1回目の選挙で97人中過半数の49票をコベントリー氏が獲得し当選しました。2位は、サマランチ前会長の息子に当たるファン・アントニオ・サマランチ・ジュニアしが28票、渡邊氏は4票となりました。
コベントリー氏は「皆さんが今日の投票に誇りを感じ、自信を持てるよう取り組みたい。」と述べ、女子スポーツの強化を図る意向も示しました。
コベントリー氏は初めての女性会長となり、新たな視点で五輪の改革をしてくれるものと信じたいですが、近年の五輪は商業五輪となりアマチュアスポーツから遠のいてしまいました。種目によっては現役のプロ選手が出場したり、米国の巨大メディアによる放送権取得による開催国無視の競技開始時間の強行、様々な企業からのスポンサー料、開催国選定に関わる賄賂、IOCの横暴、すべからく商業化したためか「金が全ての大会」になってしまいました。
また、近年、性転換した選手や染色体だけで判断できない選手などの対応や、過度のナショナリズム、世界情勢と参加国、レフリングへの不信など、五輪全体に解決しなければならない問題が山積していますし、その事が原因なのか五輪不要論もあちこちから聞こえてきます。
新しく選任されたコベントリー氏は、五輪を新たなステージに連れて行ってくれるのか、それとも過去の延長線上の五輪を踏襲していくのか、就任後初となる来年のミラノ・コルティナダンベッツオ冬期五輪で、その手腕に対する評価が決まるでしょう。
そのためには、トーマス・バッハ会長の影響をいかに遠ざけるかにかかっていると思います。