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IRゼロから検討を

  • 2019年11月28日

 IRもいよいよ行き詰まってきました。

 与党自民党会派がIRの誘致について会派内をまとめられず、知事の判断に委ねることになりました。

 以前にも述べましたが、知事は自らの判断を自民党会派に委ね、自民党会派は知事が判断すればしっかりと支えると言っており、どちらも責任を取りたくないという姿勢に終始しています。

 振り返って、自民党道連はIR誘致を統一自治体選挙の公約にしていたのではないでしょうか。

 そして、IRを積極的に誘致しようとしている経済界から多くの支援をいただいたのでは無いかと思います。

 会派と道連は違う人格となっているようですから、この会派の判断を自民党道連の吉川会長と執行部はどのように受け止め、対処するのでしょうか。

 一方知事は、IRについて選挙では「道民目線で判断する」と訴えて当選しましたが、ここに来て、道民目線とは道議会自民党の事だと言うことが明らかになりました。

 と言う事は、これからの様々な課題について知事が「道民目線」という言葉を口にすれば、それは与党会派なかんずく「自民党会派の意向」と言う意味になります。

 前任の高橋はるみ知事以上に自民党の傀儡になろうとしている鈴木知事。

 明日から各会派の代表格質問が始まりますが、スムーズに本会議が開催されるか予断を許さないところとなるでしょう。

 ただ、今回の本会議で知事がどのような理由を付けて誘致を断念するのかは大事です。

 まさか、自民党の所為(せい)にするわけには行きませんから、それなりの理屈をつけるのだろうと思います。

 それが、報道されているような「経済効果などを評価しつつ、道内では現時点で誘致に向けた準備が整っていない。」と言うようなことだと、「誘致に向けた準備が整えば誘致する。」と、知事の方向性を明らかにしたことになります。

 今、問題になっているのは根本的な問題です。

 それは、道民生活に大きな影響を及ぼす依存症や、社会環境の悪化、希少動物が生息するウトナイ湖を中心とするラムサール条約が該当する地であることや、新千歳空港から大都市札幌の逆方向へ離れた場所であること、MICE関連施設が通年の稼働および集客を期待できると試算されるのか、沖縄県や友好州のハワイがなぜカジノに頼らない判断をしたのか、韓国、シンガポール、マニラなどのカジノの実態分析など、道が懸念される問題が全てクリアーするだけの分析が出来ているのかが問われています。

 知事は、「IRについてゼロから検討し直す」くらいの覚悟を、本会議で見せて欲しいとものと思います。


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