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J-クレジット(ブログ3842)

  • 2025年02月21日

 皆さんはJークレジットというのをご存じでしょうか。

 日本の総面積の3分の2は森林で覆われています。この膨大な面積の中にある木々の量は約52億立方メートル。そして、これらの木々が日々CO2(二酸化単相)を吸収し、O2(酸素)を排出しています。

 Jークレジットは、森林の育成・管理をされている森林関係者が「森林由来クレジット」として販売することが出来、その収益を伐採後の植栽や再造林、適正な管理の費用として活用するもので、クレジットを購入した企業等は、自らの経済活動によって排出されたCO2を購入分だけ削減の実績としてカウントされるというシステムです。

 この手法によって、日本のCO2削減目標に近づけて行くことが出来るとし、カーボンオフセットしながら森林の管理をサポートに寄与する仕組みを持つことになるという考え方です。つまり、このクレジットによって、植栽→育成→伐採→植栽というサイクルが出来あがります。その算定方式はここでは省きます。

 ただ、私には少しの疑問が残ります。

 木を伐採した場合、それまで吸収されたCO2は今後吸収されなくなり、その分のCO2は削減されなくなります。そこに新たな苗を植栽しても成木になるまで、数十年の時間が必要となります。成木になった時点で同量のCO2を吸収することになることから「プラスマイナス・ゼロ」となりますが、この木をバイオ燃料として焼却し発電や熱源として利用した場合には逆にCO2が排出されます。

 つまり、木を伐採することでCO2が削減されなくなり、焼却することでCO2が増えることになり、それをゼロにするには植栽してから数十年もの時間がかかる事になりますし、一方、クレジットを購入した企業はCO2排出の免罪符を買ったことになります。

 森林はサイクルによって維持されますが、実質的に企業などが排出するCO2は削減されないという事になるのでは無いかと思います。

 誰か、私のこの疑問を解決してくれないでしょうか。

 今、化石燃料がCO2排出の元凶と言われていますが、化石燃料は原始時代の原生林などの生物が地中に堆積され、数百万年、微生物によって分解されたり土や水などの強い圧力で押さえつけられ、さらに地熱で温められて変化したものです。

 つまり、太古になりますが石炭などはその時代に原生林としてCO2を吸収して酸素を排出していたのですから、同じ理屈が通じるならば、化石燃料を焼却してCO2を排出してもプラスマイナス・ゼロと言う理屈になるのでは・・・? ただ、そこには大きな時間軸が横たわっていますが、さて、さて、私にはJ-クレジットがなぜか、詭弁の様な気がしてなりません。


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