JAL会長の発言
- 2015年08月03日
HACの親会社であるJALの会長が札幌での記者会見で二つのことに触れました。
一つは、HACの函館~三沢線の見直しを示唆したことです。
HACの函館~三沢線は、JALの経営再建と共にJALの子会社であるHACの経営を断念したことから、HACの株式を道が51%所有し、実質、道営として運営していた時期に、奥尻空港における重大インシデントに端を発した経営の行き詰まりが顕著となり、道がその打開策として「あずさ監査法人」に経営再建策を委託、その目玉として、道内地方路線の廃止と函館~三沢線の新設が提案され、道がそれを受け入れたことから現在に至っていますが、私は当初から、この三沢線の搭乗率に危惧を抱き、道の総合交通担当部に再考を求めましたが、結局実施し、その結果は、通年運行から昨年は4月~10月の土・日・祝日運行へ運行縮小、さらに今年は8月~10月の土・日・祝日に限定する運行になりました。
そして、新幹線開業後は、運行廃止まで視野に入っているとのJAL会長の見解です。
当初から危惧していたことが現実となりましたが、このことに対し、道は検証を行い、函館~三沢線の運行がどれだけHACの経営と道の財政に影響を与えたのか明らかにしなければなりませんが、その動きが有りません。
ここにも中央政府同様、決めたことは後戻りせず、失敗は検証しないという道の姿勢がうかがわれます。
もう一つ会長が話されたことに、HAC再建時に廃止された道東との路線の復活について、非常に難しいとの見解がありましたが、北海道新幹線開業の効果を全道へという思いから、函館~釧路線や函館~女満別線などの再開を道や観光業界を中心に要請をしてきたことに対し、木で鼻をくくったような対応です。
持ち株数は大幅に減ったものの、道や関係自治体、経済界はいまだに大きな株主でありますから、この会長発言に対し、強く物申して行かなければなりません。
このままでは、HACは路線縮小→廃業という道を辿る事になるのではないかという思いがよぎります。
北海道新幹線開業や札幌延伸が二次交通としてのHACの出番となると信じている私を含めた関係者にとっても由々しき問題であることから、JALとの様々な対応をしていかなければなりません。