JR北海道のお荷物か
- 2018年04月28日
財務省・財政制度審議会の分科会が、2017年度の北海道新幹線の営業損益が103億円の赤字になる見通しを、さらに18年度の計上損益も189億円になる見込みであることを明らかにしました。
JR北海道はこれまでの赤字が膨らみ、道内10路線13区間を単独では維持困難として、北海道・沿線自治体・国を巻き込んでの見直し議論が行われています。
ただでさえ赤字続きのJR北海道に、新幹線という新たな赤字がその肩にズシリと重くのしかかります。
北海道新幹線の恩恵を受けることが少ない自治体は、新幹線のために他の沿線が犠牲となり廃止になるのではないかという疑心暗鬼に陥ってしまいます。
開業2年目の平均乗車率が26%とは、いささか残念な結果と言わざるを得ません。
札幌延伸となれば乗車率も改善され、赤字も解消して黒字に転換、経営に寄与するのではと皮算用してみますが、札幌開業は2030年とまだまだ先の話ですから、そこまでJR北海道が今のままの路線を維持していく体力を温存できるかというと、客観的にみれば無理だろうと言わざるを得ません。
過去にもブログに記載させていただきましたが、北海道は新幹線開業時に大々的なキャンペーンを独自に打つことをしませんでした。
新幹線の開業時には、何処の県でも大きなイベントを行います。
全国的な新幹線での観光誘致イベントは、言わずと知れた「DC=ディスティネーション・キャンペーン」で、3ヶ月間のロングラン中にJR各社やエージェントが大々的にキャンペーンを展開し、全国や外国人観光客を誘引します。
残念ながら北海道とJR北海道は、函館開業時にDCに手を挙げませんでした。
その結果、青森県が主導権を握り、DCを打ち出しました。
青森県が主導しますから、当然北海道新幹線のDCであっても青森に誘客する内容になってしまいます。
青森県は、新幹線開業におけるDCを「新八戸開業時」、「新青森開業時」、そして「新函館開業時」と3回も行いました。
北海道は、せっかくの新函館開業時に見送ってしまったのです。
道議会において「ナゼ、DCに立候補しないのか」との私の質問について、「開業時は何もしなくても客は来る。問題は2年目で、客足が衰えがちになった時にDCを持ってくる」と答えました。
しかし、2年目にもDCに手を挙げませんでした。
平均乗車率が26%となっている原因がそこにあるとは言いませんが、積極性を欠いていることが裏目に出ることにつながる事はままあります。
新幹線がJR北海道のお荷物にならないように様々な取り組みに力を入れなければなりません。