JR北海道の維持
- 2018年06月30日
「北海道市長会及び北海道町村会と立憲民主党北海道による意見交換会~JR北海道路線維持に向けて~」が開催され、これに出席しました。
冒頭、立憲民主党北海道のJR問題PT本部長である荒井聡衆議院議員から、「国鉄民営化の時に、営業収益の良い東日本、東海、西日本3社に約6兆円の負債をおわせ、経営が脆弱な3島、すなわち北海道、四国、九州の各会社には約1兆6000億円の財政支援を行い、貨物には安いレール使用料で収支を整えるようにしたが、現在、東日本、東海、西日本は3社は黒字、3島の北海道、四国、九州は赤字となっている。
あの、JALは社長に稲森氏を据え、2年で黒字化となった。JR北海道もできないわけではない」と挨拶。
市長会、町村会からは「30数年前の民営化議論には地方の自治体が話し合いに入っていなかった。国のやることだし、何とかなると思っていた。いわゆる関わりを持ってこなかったのは反省すべき点である。今までは、北海道が広いことは良いことだと感じていたが今はデメリットとなりつつある。しかし、これをメリットと捉え地域創生に力を入れてきたが、その時に廃線という問題が横たわっては未来に繋がらない。
国も道も公共交通のあり方をどのように描いているのか見えない、JRの位置づけをしっかり明らかにして欲しい。」との訴えが有りました。
意見交換では、国の関わり、基金のあり方、バス転換した場合の住民の足確保への担保、観光振興との関連など様々な内容について意見交換しましたが、残念ながらこの会議に参加した国会議員と、市長会・町村会との間には若干の温度差が感じられました。
それは、政策議論を展開する国会議員と、日々住民と接し具体的な対応を迫られ苦慮する首長という立場の違いがこの会議でも透けて見えたからです。
まさしく、この間を埋めるのが私たちの役目なのだと改めて感じました。
この夏には、JR北海道の問題に一定の方向性が示されるという時間軸では、抜本的なJRのあり方を議論するには時間が無く、さりとてパッチワークではまたぞろほころびが生まれる事になります。
拙速に未来への結論を急ぐことなく、5~10年間を第1次の取り組み期間とし、その検証の後に抜本的な方向性を決めていくという2段階の解決策も模索すべきではと思いますし、そのことは市長会も指摘していました。
私は以前も掲載させていただきましたが、上・中・下分離方式にすべきと考えています。
上(じょう)は、駅舎などの関連施設、これは自治体が駅舎を街作りの拠点として医療・福祉・教育・観光などの複合的な施設として運営をする。
中(ちゅう)は、まさしく車両の運転・管理、これはJR北海道が担い、乗客へのサービスなどを向上させ、観光列車や季節列車、様々なイベントなどを展開し、通勤・通学・通院などだけではない付加価値を生み出す。
下(げ)は、線路やトンネル橋梁などの維持管理、これは当然のことながら道路と同じように国が整備するインフラとするべきです。
乗客が利用しない貨物列車はJR各社にレール使用料を支払い運行しています。
すでに、上・下分離方式を採用しているのです。これの下(げ)を国に、そして自治体にも参加して貰いながら、将来にも継続できる鉄道を目指すべきだと思います。