JR北海道・集中審議
- 2018年02月27日
昨日、北海道議会地方路線問題調査特別委員会が開催され、JR北海道の島田社長や常務はじめ関係役員を参考人招致し、集中審議を行いました。
審議は5時間に及び、各会派からはここまでに到る経営のあり方や、今後の路線維持などについて様々な角度から質疑を行いましたが、民間企業とは言え国交省の鉄道・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構)が全ての株を有している国策会社であるJR北海道は、国という「株主」の意向に沿わない答弁は出来ず、また、沿線自治体や道が参加する地域協議会、さらには道が設置した第三者機関である総合交通政策検討会議内の鉄道ネットワーク・ワーキングチーム・フォローアップ会議による報告書などに縛られ、JR北海道の独自案である「上下分離方式」に対して、必ずしも踏み込んだ内容にはなっていなかったのでは無いかと思います。
これまでの経営は、その基盤となる基金の運用益が当初予想より遙かに低率に推移し、経営に寄与することが期待できないまま、当時から現実的に赤字であった北海道の路線を政府の方針に沿って確保、積雪寒冷型の気候による除雪への負担、ポイントの凍結などによる運休等に悩まされながら、広域・分散型の生活圏、過疎型の自治体に対する基礎的移動手段として運行してきましたが、一次産業の生産物を大量に輸送するための路線基盤の疲弊、さらには、民営化による人員削減が招いた技術の継承が出来ない組織、現場の声を反映出来ない企業体質、車両更新や保線、トンネル・鉄橋の改修に予算を割けない財務状況の他、運賃の値上げや車内販売の廃止などのサービス低下など負のスパイラルに陥り、そのほとんどが改善されないまま今日に到っています。
これらに関わる組織、企業体質などはJR北海道の責任であったにしても、会社の努力だけでは解決出来ない課題も多かったのではないかと思います。
JR北海道はそれらの状況の中でも地域の足を確保し、通勤・通学・通院、観光への貢献、大量物流の輸送を担ってきました。
JR北海道は担ってきた基幹交通としての鉄路をどのように守ってきたのか、そのためにどのような企業運営をしてきたのかを検証し、今後の北海道における鉄路のあり方を、単に赤字路線の切り捨てでは無く前向きに検討しなければなりません。
また私達は、その結論をJR北海道、国、道、関係自治体だけに任せるのでは無く、経済団体、医療関係、教育関係、運輸関係、労働団体、道民等を巻き込んだ、全てが関わるオール北海道として、他人事では無く自分事として考えなければならないと思います。