NHKに期待
- 2019年06月11日
NHKの国会中継に違和感を感じました。
昨日行われた参議院決算委員会のNHKテレビ中継は、多くの国民が「年金不足額を2,000万円の預貯金で」という金融庁年金審議会の報告について総理が国民に向けてどのように説明するか注目して見ていたと思います。
質問が与党から野党側委員に代わり、やり取りが激しくなると委員会室にヤジが飛びますが、安倍晋三氏がヤジに向かって反応していても、そのヤジの声をテレビのマイクが拾わず、どんなヤジに反応しているのかも判りません。
また、質問に正面から答えずに「朝ご飯答弁」を行っている政府側に対し、野党筆頭理事が委員長席前に詰め寄って抗議している場面でも、テレビには「ただ今、速記を中止しておりますので、音声は放送しておりません」というテロップが流れて委員会室を大写しにしている画面だけ映ります。
こんな事は今までの予算委員会や決算委員会ではありませんでした。
より臨場感を視聴者に伝えようと、全ての場面、全ての音声を提供する姿勢がNHK に有りましたが、そのことが国民に良い印象を与えないという政府側の思いに忖度したのか、政府寄りのNHKという印象を改めて多くの国民に植え付けました。
以前からNHKの経営委員会には百田尚樹氏など安倍晋三氏との色が濃い方々が就任し、森友・加計問題をスクープした矢野記者を左遷、クローズアップ現代で菅義偉氏に鋭い質問をした国谷裕子キャスターを外し、籾井前会長は「政府が右と言えば左とは言えない」と忖度放送を肯定しました。
そして6月の組織再編では、権力に厳しい姿勢で望む番組「ETV特集」などを手がけていた「文化・福祉番組部」を解体してしまいました。
これで、権力や権威になびかず弱者の視点にこだわってきたNHKの良心が、経営者によって時の政権に屈してしまったような気がします。
そして、先程述べた昨日の決算委員会です。
こうなれば民放に期待したいのですが、民放のお偉方は安倍晋三氏の飲み友達で昵懇の中。NHKは、マスコミの本来の姿である「権力に対峙する」放送局になって欲しいと熱望します。