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PFASの手引き(ブログ3651)

  • 2024年08月05日

 環境省が自治体向けに示しているPFASに関わる対応手引きの修正案を、東京新聞が独自入手し、その内容を明らかにしました。

 その修正ポイントは、

▼水飲用による体内への取り込み防止の徹底が重要。

▼摂取が主因とみられる健康被害が生じた事例は確認されていない。

▼既存の統計を用いた健康状態の把握が望ましい。

▼血液検査はかえって不安を増す可能性がある。

 と言う内容です。

 この修正は、PFASが問題視されてきたことを受けて昨年から環境省の「PFAS総合戦略検討専門委員会」で議論が行われてきた中で出されたものです。

 修正案では、「地域住民の健康不安への対応」の項目を追加、自治体が住民に説明する内容として、「どの程度の量が身体に入ると影響が出るかについての十分な知見はない」、「摂取が主たる原因とみられる健康被害が生じたと言う事例は確認されていない」などを挙げており、特に血液検査には消極的な姿勢を示し、「血液検査の結果のみで健康影響を把握することは困難だ」とし、「検査を受けた人の精神的な面を含めたフォローの手法が確立されていない」と指摘、「検査がかえって不安を増す可能性が有る」と否定的な内容となっています。

 特に大阪のダイキン淀川工場の排水や地下水から検出されたPFASは1リットル中600ナノから1000ナノを示していますが、この地域の住民に関わる血液検査を行政が行う事は無く、環境省が示された統計などは消極的なものでしかありません。

 さらに、ドイツの公的機関や米国の学術機関が、健康影響のリスクが上がるとしているPFASの血液中濃度が指標を上回った場合であっても「必ずしも健康障害が起こるとは限らない」、「将来、健康影響が生じることを意味しない」と、これも否定的な見解です。

 問題は、「血液検査はかえって住民の不安を増すことになる」と血液検査さえも避けようとする記述に対して、岡山県吉備中央町では、「知ることによって不安が解消されることもある」と全国初の公費による血液検査の実施を決定しました。

 PFASは自然界には無い化学物質で、水や油をはじく性質からフッ素加工製品や泡化学消化剤等に使用されています。

 北海道でも、安平川や丘珠2号川から政府の基準より高いPFASが検出されました。

 しかし、道も札幌市もどちらかというと積極的に調査しようという考えは薄いように感じます。

 この消極性の裏には、環境省からの通達が大きく影響している可能性が有るのでは無いかと思います。


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