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PKO宿営地に着弾

  • 2016年04月02日

 南スーダンでのPKO宿営地に着弾した銃弾を、陸自福知山駐屯地が展示していた事が報じられました。

 これが事実ならば、大変なことになります。

 なぜならば、PKOの派遣は、紛争当事者の停戦が要件であり、銃弾が着弾したと言うことは紛争が続いていることに他ならないからです。

 であれば、自衛隊は即刻撤退しなければならないことになります。

 PKO参加5原則では、

 1、紛争当事者の間で停戦が合意し成立していること。

 2、紛争当事者が、当該平和維持活動及び当該平和維持隊の活動への我が国の参加に同意していること。

 3、当該平和維持隊が、特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。

 4、上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。

 5、武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。

 となっています。

 しかし、南スーダンでは現在も内戦が続いていることは明らかで、今は危険な状態が続いている中でのPKO活動であります。

 この度の安保法制における武器使用基準の緩和や駆け付け警護において、実際に自衛隊員の犠牲者が出ることを懸念し、政府与党自身も、南スーダンに派遣している自衛隊員に課せられるこれらの任務等については、参議院選挙後に解禁するとしております。

 それよりもなお、銃弾発見当時は、南スーダンで大統領派(政府軍)と副大統領派(反政府軍)の衝突が起きた直後だったと言われています。

 PKO参加5原則の1番目が成立しておらない状態が続いており、自衛隊員の安全が確保されていない以上、自衛隊は南スーダンから即刻撤退するべきであります。

 しかし、政府は案の定「調査中」とか、「何かの間違いで祝い事の際に空に向けて発砲する習慣があることから、たまたま宿営地に落ちた」とか、認めたくない理屈を述べていますが、空へ向けた発砲でも、宿営地に落下して自衛隊員が怪我することが無いとは言えません。

 5月からは、千歳に駐屯している陸自北部方面第7師団を中心とした第10次隊の派遣が始まります。

 派遣先の南スーダンが、本当に紛争当事者間での停戦合意がなされているのか、そして内戦状態に無いのか、銃弾はどのような状況で宿営地に着弾したのかがはっきりしないまま、新たな自衛隊員を派遣することには問題があるものと思います。


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