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TPPの裏

  • 2015年03月08日

 TPP交渉が、米国と3月に大筋合意、4月末からの日米首脳会談での決着、5月に条文整理、オバマ政権の功績として秋までに署名、という日程が現実味を帯びています。

 ある月刊誌にジャーナリスト武富薫氏の『「年次改革要望書」が廃止された本当の理由とは』という記事が掲載されていました。

 抜粋すると『94年から日米両政府の間で交わされてきた「年次改革要望書」は、表向きは「日米両国の経済発展」に向け、相手国の規制や制度の問題点を指摘、改善を求めるために交わされる文書とされているが、実態は米国が一方的に日本に突きつける「対日経済要求」に過ぎない。

 米国は毎年「日米規制改革委員会」という二国間協議で日本に要望書を突きつけ、小泉政権時には約300兆円の資金量を誇る郵政民営化の他、医療分野(混合診療解禁や医薬品の早期認可など)、電力、農業、労働分野の自由化等を要求。小泉政権は「構造改革の名の下に、米国の要求通りの経済改革を段階的に推進した。

 その後、民主党政権の鳩山政権時に年次改革要望書を廃止したものの、米国の虎の尾を踏んだために政権は1年間で倒れた。菅政権に代わり、新たに「日米経済調和対話」と名前を変えて復活したが、民主党政権では3回開かれただけで、なぜか安倍政権になってからは開かれていない。その理由は、安倍首相が就任してほどなくTPP交渉参加を表明したからだ。

 「米国にとって、TPPは日本にこれまでの年次改革要望書を一気に実行を迫るものだ。TPPの二国間協議があれば「日米経済調和対話」を開く必要がない。安倍政権としては日本国内で“米国追従”との批判が強い要望書はないほうが好都合だ。米国側も要求から実行段階に移ったのだから、改めて要望書を公開する必要はなくなった」(外務省OB)。

 しかも、TPPには両国政府にとって都合の良いルールがある。協議参加国の担当者に交渉過程はもちろん、交渉妥結後も4年間は具体的な協議内容を明らかにしてはいけないという守秘義務を負わせていることだ。日本側が米国の要求に「いかに屈したか」のやり取りは隠される。安陪首相はこの守秘義務を盾に取り、民主党からの追求を封じ込めてきた。年次改革要望書で明らかにされていた米国の具体的な対日要求が、TPPでは国民にも国会にも知らせなくてもいい「秘密交渉」で行われるようになったのだ。

 このままでは、日本の経済主権が完全に米国に奪われてしまう危険性が高い。』と掲載し、TPP交渉に警告を発しています。

 すでに、国会決議も重要5品目も「風前の灯火」となっており、そのお先棒を安倍政権が担っているとすれば、TPPを推し進める関係者こそ、日本の富を米国に差し出し、国内経済を瓦解させているのではないでしょうか。


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