TPPは国の形を変えるもの
- 2011年03月07日
皆さんご存じのようにTPPは、加盟国間での例外無き関税撤廃が原則となる他に、それぞれの国が行っている規制、いわゆる非関税障壁の撤廃も主要な目的となります。
ごく身近なものでは、遺伝子組み換え作物の輸入、ポストハーベスト(農作物残留農薬)基準の撤廃、BSE(牛海面脳症)20ヶ月月齢検査の緩和、郵政を含む金融市場の開放、医療保険の民営化、国内資格(法曹関係、医療関係等)の開放、労働力のグローバル化等々、全ての対外規制を撤廃し、加盟国間においてはオールフラットになります。
これは、米国が毎年日本に求めていた「年次改革要望書」に沿う内容と同種のものであり、まさしく米国の国益のみを潤し、日本にとっては全てのの国益を米国に捧げるような内容に等しいものとなっています。
また、食料は国の戦略そのものであり、これを他国に依存することは極力避けなければなりません。
世界の人口は増え続け、食料生産量が全ての人類を満たすことが出来なくなるのは想像に難くありません。
昨年、ロシアは干ばつで小麦の輸出を禁止し、日本国内の麺類やパンなどが値上がりを始めています。相手の状況で食料は止まります。お金で食料を買う時代は終焉を迎えることを認識しなければなりません。
TPPの参加は、単に農業と輸出産業の問題ではなく、この国の将来の有り様を貿易に依存する国にするのか、自立国家とするのかが問われる、まさしく日本の将来の形を決めるに等しいものであり、十分な国民への情報提供と時間をかけた国民議論の上で、慎重にも慎重を重ねた熟議の後に政権を預かるものとしての責任の下、判断されるものではないでしょうか。