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TPP・EPAの影響額試算

  • 2017年12月23日

政府が、TPP11とEU・EPAに関する経済効果の試算を発表しました。

 試算については、GTAPモデル(GLOBAL・TRAEDE・ANALYSIS・PROJECT=国際貿易分析プロジェクト:関税の引き下げ・撤廃が各国に与える影響評価)と呼ばれる計算式に基づいて行われており、前回15年TPP12(米国離脱前)に行われた経済効果13兆6,000億円と見積もった時と同じ手法によるものです。

 これによりますと、GDPへの押し上げ効果は16年度換算でTPP11は約7.8兆円、EPAは5.2兆円、合わせて13兆円となるとのことです。

 TPP審議で米国が離脱したマイナス分をEPAが補った様な形になります。

 しかし、この試算は安い輸入品が大量に国内に流通するにも関わらず、国内の生産量が維持されることを前提としていることから、各界から甘い見通しではないかとの疑問が投げかけられています。

 まさしく、安い輸入品が国内に大量に出回れば、国民は安い商品に触手を伸ばすことになることは疑う余地が有りません。

 したがって、食糧基地である北海道を中心に生産される農業・酪農製品等は大打撃を受け、生産量は低下する事になります。

 更に、この試算は食糧自給率も維持されることを前提としていますが、当然、、生産額ベースの68%は上記のことが理由で下がることは容易に想定でき、カロリーベースの38%も国産品の消費が落ち込むことにより下がることにつながります。

 どう見ても、国の試算は現実的ではなく、国民向けの世論誘導でしかありません。

 今回の試算で、国は農林水産物の生産減少額も明らかにし、牛肉で約300億円~約600億円、豚肉では約250億円~約500億円、牛乳・乳製品で約300億円~約500億円と見積もっています。

 道はこれまで、TPP11やEU・EPAなどに伴う北海道の一次産業への影響についての議会質問に対し、その影響額を示して来ませんでしたが、今回の国の試算を基にすれば、影響額は明らかになるだろうと思います。

 年明けの道議会では、当然、このことに関する審議が行われることになりますが、個別の影響について、その対策を十分に講じる事にしなければなりません。


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