TPP以上の譲歩は認めぬ
- 2018年08月03日
JA中央会の飛田稔章会長が、JAグループの定例記者会見で米国から迫られているFTA(2国間自由貿易協定)について「TPP以上の譲歩は認められない」との考えを示したことが報道されました。
振り返れば、JAグループが支持する自民党は、国会において「拙速な交渉参加には反対」とか「聖域無き関税撤廃を前提とする限り、交渉参加に反対する」などと発言し、13年の参議院選挙のポスターには「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」や「TPP交渉参加に反対」というフレーズを掲げて、JAの皆さんからも大きな票を得ましたが、その後に、ちゃっかり「断固反対とは言っていない」と口をぬぐい、米国が参加を見合わせた後も、日本が中心となって各国との交渉の推進役のとなり、国会議論もそこそこに強行採決、国会承認を得たという大義名分を基に「TPP11」として農産物を犠牲にしながら工業製品の輸出拡大という目標に走り始めました。
13年には交渉内容について国会に報告するように求められながら、守秘義務を盾に1面真っ黒の「ノリ弁」の資料を提出、未だ交渉内容は国民の知るところとなっていません。 さらに、国会から付帯決議として付された8項目も今となっては単なる「お題目」となってしまったようです。
付帯決議の1番目に書かれた項目は
「米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。」
と書かれています。
JAの皆さん、この付帯決議は守られたのでしょうか。
そしてまた、EU・EPAや米国とのFTA2国間交渉で、この付帯決議は守られるのでしょうか。
昔の領主は「農民は絞れるだけ絞れる」と農民を蔑ろにしてきましたが、今はそういう時代では有りません。
日本の食糧を守っていただいているJAの皆さん、今度こそは国に騙されないように、しっかりと農業を守っていこうでは有りませんか。