TPP審議への落胆
- 2016年04月12日
TPPの審議が特別委員会ではじまりましたが、これが国の行く末を変えてしまう大きな交渉に関わる国会の審議かと落胆してしまいました。
「ウソつかない。TPP断固反対!!。ブレない。」、このスローガンで12年の総選挙を戦いながら、7日に安倍晋三が口にしたのは「私はTPP断固反対と言ったことは一回も、ただの一回もございません。」という言葉です。
こんなウソを平気で言う男なのであり、改めてこの男の精神構造を疑わざるを得ません。
こんな男に国民の多く、そして今でも農業関係の方々の多くが騙され続け、この男とこの男の所属する政党を応援していることも私にとっては不思議な情景です。
さらに、TPP特別委員会の委員長があの西川公也衆議です。
建設会社からの収賄や木材加工会社からの違法献金を受け、農水相時代にはTPPに関わり精糖、コメ、乳製品などの業界団体からの違法献金を受るなど、汚いカネにまみれて農水相を辞任した張本人であります。
併せて、交渉責任者の甘利前担当大臣は、「あっせん利得罪」疑惑になったとたん睡眠障害で国会に姿を現さず、事務方責任者の鶴岡首席交渉官は英国大使となって国内脱出、資料は真っ黒に塗りつぶされ交渉経過も判らないものとなっています。
その一方で、西川委員長が自ら執筆し、中央公論新社から5月発売予定の「TPPの真実~壮大な協定をまとめ上げた男たち」のゲラが委員会で暴露されましたが、その内容から内幕をリークした役人がいることは明白であり、委員長に真相を糺した民進党の質問に対して西川委員長は「答える立場にない。大臣への質問を続行して下さい。」と逃げをうつばかり、石原担当大臣は「本物のゲラかどうか確認できない」としらばっくれる。
野党には、守秘義務を全面に出して交渉に関わる質問には答えない、すなわち国民への説明責任を放棄し、西川委員長には執筆に必要な情報を垂れ流すという対応。
質問を重ねてもまともに答えない委員会運営に抗議し、民進党が退席しましたが、その直後、委員長席のマイクを切るのを忘れていた西川委員長が「あれは全部文書からはね。いまの新しいやつは消えているんですよ」「自分できれいに整理したやつじゃなくて、一番古いのがでているんですよ」「書きなぐったやつが」と話し、自ら求めてしまう発言をしてしまいました。
一体、TPPは誰のためのものなのか、そして、その情報は誰のための情報なのか。
安倍晋三と石原伸晃はTPPは与党のもの、情報は安倍内閣のものと思っているのか。
いずれにしても、与党はまともに審議する気がない、審議拒否は与党の方である事だけははっきりしたと思います。
TPP特別委員会の審議は今後も続きますが、安保法制の時と同じように安倍晋三とその仲間達の「情報不開示」と「ウソ」に惑わされず、国民は「バカではない、騙されない」ことを突きつけなければなりません。