Uber社への出資
- 2017年11月13日
ソフトバンクの孫正義社長が、米国のテクノロジー会社「ウーバー(Uber)社」に100億ドル(約1兆1,360億円)の出資を行うことが決まったようです。
ウーバー社は自動車配車ウェブサイトと配車アプリを世界70国・地域450都市以上で展開をしています。
Uber社の配車システムは、携帯アプリから今いる場所を入力すると近くにいるタクシーがその場所まで来てくれる、そして後何分で到着するか、さらに目的地までの料金の目安まで表示され、料金は事前に登録しているクレジットでOKで、自動車の種類は普通車から高級車まで選べるし、運転手を評価する仕組みも導入されており、運転手側も顧客サービスを意識しサービスの向上にも繋がるというもの。
さらに、「Uber Pop」という自家用車を使った一般人の有償旅客運送という事業を各国で展開しています。しかし、これはEU内でもタクシー業界が訴訟を起こし、ドイツ、フランス、スペイン、オランダでもサービスの停止が一気に広がり、インドでも運転手が客に性暴力を加えたことから営業停止になるなどの逆風も強まっています。
一方、日本では14年8月から東京都内全域で本格的なタクシー配車サービスが始まり、15年には国家戦略特区諮問会議で安倍晋三が「過疎地などでの観光客の交通手段として自家用車の活用を拡大する」と述べてから、一般人が自家用車で有償送迎を行う、いわゆる「ライドシェアー」が話題に上がり、16年5月には京都府丹後市のNPO法人がUberの仕組みを採用して一般人による有償旅客輸送を、一部条件付きで開始しました。
世界各国で大きな社会問題となっている「Uberシステム」に対し、孫社長が多額の出資をしたことは、日本でも導入することを前提にしているものと考えられ、既に日本最大手のタクシー外車である第1交通産業と配車アプリを使ったサービスを展開するとの報道も有ります。
これまでにSB(ソフトバンク)は、中国でアプリ配車やUber Popによる一般人による有償旅客運送(日本では白タク行為)を行っている「滴滴出行」に50億ドル出資しており、併せて、インドやシンガポールのタクシー会社にも出資しているようです。
SBは世界のタクシーシステムを牛耳ることを狙っているのでしょうか。
日本のタクシー業界は、これに対抗しなければなりません。
白タクは、インドの例にも有るように資格のない運転手が犯罪まがいの行為に及ぶかもしれませんし、プロの運転手ではないために客の安全が蔑ろにされることも懸念されます。
もっとも、孫氏の狙いは更にその先の自動運転のタクシーの普及に大きく関与することかも知れません。
新聞報道によると、自動運転システム開発の米国企業に多額の出資をしたことも報じられています。